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Pepper+Azureのクラウドロボティクス業種別ソリューション、第一弾は小売店舗向け

「全員Pepperの店」オープン!? MSとSBRがロボティクスで協業

2016年03月09日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 マイクロソフト(MS)とソフトバンクロボティクス(SBR)は3月8日、「クラウドロボティクス」ソリューションの展開における協業を発表した。第一弾として、コミュニケーションロボット「Pepper」と「Microsoft Azure」クラウドなどを組み合わせ、接客や売上分析などを自動化する小売店舗向けソリューションを開発し、今秋から販売する。

発表会に出席したソフトバンクロボティクス 代表取締役社長の冨澤文秀氏(左)、日本マイクロソフト 代表執行役 社長の平野拓也氏(右)、人型ロボットのPepper(中)

 両社では今後、Pepperやマイクロソフトの「Surface Hub」「Surface」などのデバイスと、「Azure IoT Suite」を始めとするAzure上のさまざまなサービス(データ分析、機械学習、翻訳など)とを連携させた、業種別のソリューション開発/提供に取り組んでいく。なおこの協業は、日本国内だけでなくグローバルに展開されるもの。

“顔を覚える”Pepperの接客だけでなく、顧客ニーズ分析や売上可視化など

 両社によるソリューションの第一弾として、今回は小売店舗向けソリューション「未来の商品棚(仮称)」が発表され、発表会ではデモも披露された。

PepperがMS平野氏の接客にトライ。顔認識で「男性、45歳」と判断し、お勧め商品をSurface Hubに表示した。「購入する」ボタンを押せばプリンタから控えが印刷され、レジで商品に引き替えられる仕組み

 接客用に設置されたPepperは、顔認識技術を使って個々の顧客や年齢や性別を判断し、それに応じた商品を顧客に勧める。さらに、その顧客が購入した/しなかった商品やPepperとの会話、感情などを学習し、その顧客が再び来店した際には、よりパーソナライズした接客やレコメンドを行う。加えて、「Microsoft Translation」をバックエンドとして活用することで、たとえば訪日旅行客など外国語を話す顧客にも対応できる。

 同ソリューションではさらに、オムニチャネルで習得した顧客ニーズのリアルタイム分析と接客への反映、POS売上などのデータに基づく販売実績の可視化といった機能も提供できる。また、店頭に在庫のない商品のレコメンドや販売も可能となる。

Pepperによる接客だけではなく、顧客のニーズ分析や販売実績の可視化といった機能も提供する

 未来の商品棚(仮称)ソリューションの販売は日本MS、ソフトバンクの両社から行うが、現時点では提供価格など詳細は未定。

「店員が全員Pepper」!の実証実験店舗もオープン

 ソフトバンクロボティクスの冨澤氏は、小売業を巡る人材不足や人材流出、訪日旅行客対応などの課題に対応するソリューションとして、あらかじめ接客スキルを持つPepperが活用できると説明。人件費を抑える一方で、売上と顧客体験を向上させるソリューションになると語った。

 また日本マイクロソフトの平野氏は、両社はこれまでも密接な関係にあり、ソフトバンクとの議論の中で出てきた「『未来の店舗』を作ってみては?」というキーワードが、今回のソリューションとして結実したと述べた。「クラウドロボティクスを通じて、最高のおもてなしが提供できるのでは」(平野氏)。

 なお3月24~30日、東京・表参道で「Pepperだらけの携帯ショップ」が期間限定オープンすることも明らかにされた。これは、今回の小売店舗向けソリューションの実証実験店舗であり、Pepperだけで接客を行うという。

今月下旬にはPepperだけで接客する実験店舗「Pepperだらけの携帯ショップ」を期間限定オープン

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