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デバイスとデータにフォーカスした国産IoTプラットフォームの真打ち

モノのタイムラインを共有できる「さくらのIoT Platform」始動

2016年02月09日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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メッセージとAPI利用で課金が発生するモデル

 特徴的なのは外部のサービスからも利用可能な点。データ生成元によって公開可能なデータとして設定された場合は、さくら以外のサービスからAPI経由でデータを利用することが可能になる。発表会でも、ウフルのMBaaSである「Milkcocoa」が閉域網内で提供されるという以外は、潔いまでに自社サービスのアピールが排されていた。「AWS IoTだったり、ヤフーのmyThingsなど、さくらのサービスを使わないでいただいてもかまわない。ここはオープン、シェアの考え方から基本的にすべてを公開する」とのことで、他社サービスとの相互接続性のよさと共創を謳ったのが印象的だ。

さくらのIoT Platformの概念図

 では、どこで課金されるのか? どうやって儲けるのかは、大きな疑問。これに対しては、さくらのIoT PlatformではIoTデバイスとさくらの閉域網との間で送受信されるメッセージ、および外部サービスからAPIを経由したデータの参照に対して料金が発生する。通信モジュールや通信コストもすべてメッセージの料金に含まれており、1つのデバイスでの負担額は数十円程度にとどまる見込み。もちろん、データ分析等にさくらのサービスを利用する場合は別途サービス利用料が発生する。

通信モジュールと閉域網間でやりとりされるメッセージ単位で課金される

 API経由で第三者がデータを利用した場合は、その料金の一部をデータ生成元に還元するという仕組みも検討されている。「モノのタイムラインで共有されたデータはAPI利用料の何割かを通信モジュールのユーザーに戻すようにする。こうすれば、たくさん参照されたデータは、“塵も積もれば”で高額なフィードバックを得られる。データ取得するインセンティブが働く」と田中氏は語る。一方、プライベート利用を選択した場合は、閉域網のみでの利用になり、インターネット側からのAPI利用は不可になる。

貧弱なマイコンでも通信を意識せずに使える

 続いて登壇したさくらインターネット プラットフォーム事業部の江草陽太氏は、さくらのIoT Platformの技術要素について説明した。

さくらインターネット プラットフォーム事業部 江草陽太氏

 さくらのIoT Platformはマイコンとやりとりする「IoT通信モジュール」、データの送受信を制御する「Data Router」、データを検索可能な状態で保存する「Data Lake」、そして外部とのやりとりを行なう「APIゲートウェイ」などで構成されている。

さくらのIoT Platformの構成要素

 マイコンとさくらのIoT通信モジュールの通信は、UART、SPI、I2Cなどをサポートする予定。「今までは末端のマイコンでもTCP/IPやPPPなどの高度な通信機能が必要だったが、貧弱なマイコンでも利用可能。一般的なセンサーや液晶を操作する感覚で通信モジュールを使える」(江草氏)とのことで、チャンネルID・型・値を基本とするフォーマットをコマンドベースで送信すると、通信部分を意識せず、データが自動的にクラウドに蓄積される。「IchigoJamのような非力なマイコンでも、UART経由でデータをクラウドに送れる。小学生もBASICでIoTデバイスを開発できる」と江草氏はアピールする。

もっともシンプルなセンサー情報の取得貧弱なマイコンでも利用可能

 一方、APIの利用はHTTPのREST APIで予定している。こちらもAPIゲートウェイに対してリクエストを送信することで、マイコンにプッシュ送信したり、過去のデータを取得することも可能になる。

APIとの通信はREST APIを経由。プッシュ通信も可能

 その他、mbedやArduino用のライブラリのほか、IchigoJam用のドキュメント、Raspberry Pi(Linux)用のライブラリを提供する予定。江草氏は「通信経路やサーバーの通信プロトコルを開発したり、過去のデータを記録したり、検索する方法をユーザー様で検討する必要がなくなる。ユーザー様は、どのようなデータを取得するのかといった回路設計、モノに対してどのような制御を行なうのか、データをどのように活用するかなどのソフトウェア開発に専念できる」とアピールする。

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