仮想からベアメタル、コンテナまであらゆるワークロードに適合する統合インフラ製品
「HPE Synergy」発表、コンポーザブル・インフラが新段階へ
2016年01月28日 06時00分更新
HPEはコンポーザブル・インフラの「フェーズ2」に到達
HPEは、昨年5月の「HP Discover」において、コンポーザブル・インフラビジョンを発表した。以後、TECH ASCIIでもそのビジョンをお伝えしてきたが(関連記事)、HPE Synergyは同ビジョンに基づき開発された初めてのハードウェア製品となる。
HPEでは昨年9月、ソフトウェアによる自動化を推進する「HPE OneView」「HPE Helion CloudSystem」の新版を発表しているが(関連記事)、これはコンポーザブル・インフラの「フェーズ1」の取り組みに当たる。そして今回発表したHPE Synergyは、“Infra-as-Code”を具現化する「フェーズ2」の取り組みだ。
発表会に出席したHPE 執行役員の大月剛氏は、顧客企業がオンプレミスとクラウドの両方を同一のツール/ポリシーで運用できる「ハイブリッド・インフラ」を実現していくうえで、オンプレミス側のインフラには、クラウドとの“ギャップ”を埋める必要があると説明。HPEが考える解として、あらゆるタイプのワークロードを単一プラットフォームに統合し、クラウド型の運用をオンプレミスで実現するコンポーザブル・インフラを提案していると述べた。
また、米HPE幹部のニール・マクドナルド氏は、企業が新たなビジネスアイデアを次々に具体化していく「アイデアエコノミー」の世界には、新たなカテゴリーのインフラが必要になると説明。「従来型」の業務アプリケーションと「クラウド型」の新しいアプリケーションの両方を効率よく運用していくためには、統合されたインフラが必要であり、そのためのビジョンがコンポーザブル・インフラであることをあらためて強調した(関連記事)。
HPE サーバー製品統括本部 本部長の中井大士氏は、コンポーザブル・インフラは「あらゆるサービスを統合可能」「クラウド型の運用管理が可能」という特徴を実現していることを説明した。HPEの「フレキシブルキャパシティ」サービスを通じて、月額従量課金制での利用もできる。
また中井氏は、従来型のインフラ製品の場合、サービスのスケールが拡大していくにつれて特定のリソースだけが不足したり、逆にオーバープロビジョニングが発生して無駄なコストが発生しがちであることを指摘。HPE Synergyの場合は、そうした無駄が少ないことを紹介した。
Synergyの販売価格は未定だが、マクドナルド氏は「〔他の統合インフラ製品と〕競争力のある価格設定にしたい」と語った。またSynergyは大規模な構成になるほどメリットが生まれるが、中井氏はフレーム1台規模からでもコストメリットがあると説明。既存のサーバーが10台、20台といった規模の顧客もSynergyのターゲットになると述べた。