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「Composable Cloud」「Composable Fabric」などを「HPE Discover Madrid 2018」で発表

HPEが“コンポーザブル戦略”をDC全体に拡大、ProLiantも対応

2018年12月05日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 Hewlett Packard Enterprise(HPE)は11月27日から3日間、スペイン・マドリードで欧州地域向けの年次カンファレンス「HPE Discover Madrid 2018」を開催した。分社化完了から3年、「ハイブリッドIT」戦略の大きな柱である「コンポーザブル」ビジョンをデータセンター全体にまで拡大すべく、今回は「HPE Composable Cloud for ProLiant DL」などの新製品を発表している。

HPE ハイブリッドIT担当プレジデント 兼 最高セールス責任者のフィル・デービス(Phil Davis)氏

ワークロードに応じて最適なITインフラを組み立てる「コンポーザブル」

 PC/プリンタ事業をHP Inc.として切り離し、エンタープライズITを手がけるHPEとして再出発した2015年、同社が“新生HPE”の方向性を決定づける意味で発表したのがコンポーザブル・インフラストラクチャ構想だ。

 これは物理リソース(コンピュート/ストレージ/ネットワーク)を単一のリソースプールに集約し、ワークロードの必要に応じて最適なITインフラを“組み立てられる(Composable)”ようにするというもので、そのビジョンを具現化した製品が「HPE Synergy」である。

 コンポーザブル・インフラは、HPEが掲げる「ハイブリッドIT戦略」の中心にも位置づけられている。ハイブリッドIT担当プレジデントのフィル・デービス氏によると、HPE Synergyの顧客数はすでにグローバルで1700社に達しており、「HPE史上最速」で売上高100億ドルに到達する勢いだという。

 「『ハイブリッドIT』も『コンポーザブル』も、元々はわれわれが業界に先駆けて提唱したビジョンだ。コンポーザブル・インフラという製品カテゴリは現在、市場調査会社のGartnerやIDCなども採用するに至っている」(デービス氏)

ハイブリッドクラウド環境に対応するProLiant、Synergy新製品

 このコンポーザブル構想の“新たなフェーズ”として、今回のHPE Discover Madridでは「HPE Composable Cloud for ProLiant DL」と「HPE Composable Cloud for Synergy」が発表された。

領域を拡大した「コンポーザブル」ビジョンと、それに対応するHPEの製品群

 まず「HPE Composable Cloud」について説明しておこう。Composable Cloudはハイブリッドクラウド環境を統合し、リソースの実装や設定、メンテンナンスなどを自動化する「オープンなハイブリッドクラウドプラットフォーム」と位置づけられている。各種ワークロードに対応したテンプレートカタログを利用し、プライベートクラウド/パブリッククラウドの両方で、リソースを簡単に“コンポーズ(組み立て)”したり、拡張したりできるという。上述した2つの新製品は、ラックマウントサーバーの「HPE ProLiant(DL360/DL380)」やSynergyで、このComposable Cloudに対応したプライベートクラウドを構成するものとなる。

 デービス氏は、これらの新製品投入によって「コンピュート/ストレージ/ネットワーキングのプロビジョニングが、シームレスかつダイナミックに」なり、「コンポーザブルの持つパワーを、ラック環境を含むデータセンター全体で活用できるようになる」と説明する。

 HPE Composable Cloud for ProLiant DLは、提供開始時点ではプライベートクラウド基盤としてRed Hat OpenShiftとVMwareをサポートし、それぞれのワークロード(コンテナ、仮想マシン)を展開できる。運用管理のシンプル化と自動化を実現するソフトウェアスタックとして、“AIオペレーション”を可能にする「HPE InfoSight」、Software-Definedなインフラ管理/自動化に対応した「HPE OneView」、ハイブリッド管理ツールの「HPE OneSphere」に対応。加えて、Software-Definedなデータセンターネットワーク技術「HPE Composable Fabric」によって、仮想マシン/コンテナ/ベアメタルで稼働するワークロードの柔軟なスケーラビリティを実現する。

 HPE Composable Cloud for Synergyも同様だが、SAPやOracleといった汎用ワークロードからクラウドネイティブワークロードまで、幅広いワークロードに対応できるよう設計されているとしている。

 なお新技術のConposable Fabricは、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品の「HPE SimpliVity」においても利用可能となっている。これによりコンピュート/ストレージ/ネットワークを同じインタフェースから管理できるようになり、ネットワークリソースを最大70%削減できるとしている。

AIオペレーションなど「コンポーザブル戦略」対象の拡大

 HPEのコンポーザブル戦略には、オペレーションを効率化/自動化するためのAI技術の適用も含まれる。HPEではNimble Storage買収によってInfoSightのAIオペレーション技術を獲得しており、現在はNimbleだけでなく3PARにもその対象を拡大している。デービス氏はその効果について、「ストレージ環境における問題の86%を自動検出して修正できる。これによりオペレーションコストを最大79%削減可能だ」と説明した。

 11月中旬には、このAIオペレーションの対象をProLiantサーバーやSynergy、「HPE Apollo」サーバーにも拡大し、さらにInfoSightのレコメンドエンジンを仮想化レイヤーにも拡大する。

 今回のDiscoverでは、ストレージ分野におけるInfoSight強化や、マルチクラウドからデータを参照できるパブリッククラウドストレージサービス「HPE Cloud Volumes」でのコンテナサポートなどの発表を行った。まとめとしてデービス氏は「ストレージに変革が必要だ。よりインテリジェントなストレージになる必要がある」と述べた。

 また、データ戦略を強化するためにBlueData Softwareの買収も発表している。BluDataは、ソフトウェアポータルを利用してAIとビックデータのための環境を簡単に構築できるもので、デービス氏は「AI、データ活用のやり方を根本から変えるものだ」と説明する。買収後、HPEのデータ戦略を支える技術群と統合していく計画だ。

 これらの動きを通じて、HPEが最終的に狙うのはハイブリッドITの実現だ。「顧客はさまざまなクラウドとオンプレミス(のITリソース)を組み合わせ、自社にとって正しいミックスを構築する必要がある」(デービス氏)。コンポーザブルは、そのオンプレミス側の取り組みとなる。「今後も自動化、ネットワーク、AI、インテリジェントストレージなどの領域で、技術開発と機能強化を続けていく」と述べて、デービス氏は講演を締めくくった。

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