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Swiftは悲願のメジャー言語入りなるか

iOS/OS Xのネイティブ言語SwiftがGitHubでオープンソース化

2015年12月19日 21時00分更新

文● 吉田ヒロ

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Swiftのパッケージマネージャの公開は衝撃

 このあと、チャコン氏に代わってソフトウェアエンジニアの岸川克己氏が登壇。

ソフトウェアエンジニアの岸川克己氏

 岸川氏によると、Swiftのリポリトジには2万個以上のスターが付いており、GitHub上ではかなりまれなケースとのこと。Swiftが開発者にいかに注目されていることがわかりますね。コントリビューター(協力者)の数も、オープンソース化前は50人程度だったのが、現在では4倍強の227人に増えているそうです。

 ちなみにAppleは、Swiftだけでなく医療系のデバイスやアプリの開発に必要なResearchKitについても、GitHub上で情報を公開しているとのこと。

iOSデバイスの医療での活用の道を開くResearchKitもオープンソースです

 すでに、開発者から提案のあった変更を受け入れ、次期バージョンのSwift 3.0に反映されることが決まっている機能もあります。

現行バージョンであるSwift 2.2のバグとして認定され、次期バージョンの3.xまでには修正されるソースコード

 Swiftのオープンソース化で具体的に公開された部分は、

・コンパイラ
・標準ライブラリ
・コアライブラリ(Foundation、XCTest、libdispatch)
・Swift言語の改良
・パッケージマネージャー

など。岸川氏は、コアライブラリが公開されたことはかなり大きな動きであると話していました。また、Swift言語の改良ついて一般の開発者が提案できることも驚きだったそうです。そして最も想定外だったのが、パッケージマネージャの公開。パッケージマネージャの公開によってコードの共有や再利用が容易になるため、Rubyなどのように人気が集まるのではと予想していました。

オープンソース化により公開された部分

 一方で公開されなかった部分として、

・Xcode(Apple純正の開発環境)
・UIKit、AppKit、Core Animation、Core Graphics、AVFoundationなどのフレームワーク群

があります。Xcodeとフレームワーク群はOS X/iOSのアプリ開発には必須で、オープンソース化された部分だけでのアプリ開発は難しいものの、今回の出来事はかなり画期的だと受け止めているとのことでした。

オープンソース化後も非公開の部分

 岸川氏は、Appleは、iOS/OS Xだけでなく、サーバーサイドや教育用のプログラミング言語のスタンダードとなることを目指しているのではないかとも語ってくれました。

オープンソース化されたSwiftは現在、OS XだけでなくLinuxディストリビューションの1つであるUbuntuでも動作するようになっています

 なお岸川氏は、2016年3月2〜4日に東京・渋谷にて「try! Swift」と呼ばれるカンファレンスを開催予定で、現在チケットを販売中とのこと。オープンソース化したSwiftの魅力に触れられる絶好の機会になるかもしれません。

2016年3月2〜4日に東京・渋谷で開催される「try! Swift」。現在チケット販売中です(1日券:120ドル、3日通し券-スタンダード:350ドル、3日通し券-早割;300ドル)

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