デジタル製品と密接な存在である熱。ノートPCにしてもスマホにしても自作PCにしても、温度チェックする頻度は多く、これまでは赤外線温度計と手のひらチェックで、およその概要をピンポイントで掴んでいた。
もっとお手軽な手段としてはサーモグラフィーの導入があるのだが、業務用となるのでとても高価だ。
ただ科学万能の世の中において、額に汗してあれこれしてハードウェアのレビューを行なうのは効率が悪いし、熱がどうと記述するのも面倒だし、読むにしてもイメージしにくい。
なにより、さっさと検証を済ませて、空いた時間で大好きな艦これの不知火を愛でていたい。
そこで、自分へのお誕生日プレゼントとしてサーモグラフィーを探すことにした。その過程で見つけたのがFLIR ONE。スマホに取り付けて使えるサーモグラフィーだ。
Lightning端子かmicroUSB端子に
接続して使用する
FLIR ONEには、「FLIR ONE for iOS」と「FLIR ONE for Android」のふたつがあり、iOSデバイスであればLightning端子に直付け、Androidの場合はmicroUSBに直付けして使用する。
発見時点ではAndroid版にしようと考えていたが、microUSBからUSB type-Cへのシフトが進みつつあるので、しばらくは使用されるであろうLightning端子を採用するiOS版を選んだ。
入手先は佐藤商事で価格は3万8880円。Amazonなどを見るとその前後の価格帯で流通しているようだ。
FLIR ONE本体はコンパクトで携行性の高さも購入の決め手になった。サイズは72×26×18mmで、重量は30g。
これなら新製品記者発表会などでの温度計測が容易だし、暗所の取材時の安全確認用にも活用できるからだ。
本体を見ると正面にはカメラがふたつある。ひとつはフツーのカメラで、もうひとつが赤外線センサー。
FLIRの上位モデルは1眼使用だが、こういった部分でコストカットをして、サーモグラフィーとしてはお手頃な価格に着地させたのだろう。
また側面には電源ボタンとmicroUSB端子がある。microUSB端子は充電専用で、バッテリー容量は350mAh。バッテリー駆動時間はこれまでのチェックからすると、約1時間といったところだ。
具体的な性能はカタログスペックで公開されている範囲では、センサーは長波赤外線方式、温度範囲はマイナズ20度~120度、感度は0.1度刻みとなっている。
また自動キャリブレーション機能も搭載されており、電源を入れたら細かい部分を気にせず使用できる作りだ。
ちなみに、FLIR ONE自体は2014年にiPhone 5/5s専用ケースに内蔵される形で登場しており、今回購入したFLIR ONE for iOSは第二世代になる。CES 2015で発表されていたのだが、しばらく音沙汰がなく、すっかり存在を忘れていた。
ONEつながりだと、同じくiPhoneに直接接続するカメラ「DxO ONE」の国内展開はどうなったのだろうか……。
→次のページヘ続く (熱源や熱分布がよくわかる!)