• Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

【前編】現役ミリタリーライター宮永・有馬のミリタリー放談

航空戦艦伊勢!重雷装艦北上!WoWsで語るロマン艦の世界~WGJ宮永忠将氏

2015年11月25日 18時00分更新

文● 有馬桓次郎 編集●南田剛志、村山剛史/ASCII.jp

艦載機で痛めつけ、主砲で殴り倒す。まさにロマンの結晶と言える航空戦艦だが、史実では伊勢・日向の2隻しか存在しない。あんな格好イイのになぜ流行らなかったの……? 教えて、宮永さん有馬さん!

ロマン艦の中のロマン艦! 伊勢型航空戦艦だが……
じつは艦載機が“別の空母に降りる”のは至難の業

有馬 では各艦ごとに話しましょう。まずは日本の伊勢型戦艦について。

宮永 これが焦点になるのって航空戦艦のほうだと思うんです。結構勘違いがあって、あれってそもそも片道通行の運用じゃないですか。射出して、飛んで行った機体が爆弾を落として、そのままどこかの陸上基地に帰るなり、前線にいる別の空母に降りる……それって建制上どうなのっていう(笑)

 そもそも空母って机上で思っているほどフレキシブルに使えないんですよ。他所の飛行隊を受け入れることは大変な手間だし、着艦訓練って(異なる空母だと)別の話になってくるので、机上プランほど有効に働かないはずなんです。

 まあ当時はフィリピンあたりが主戦場になると予想を立てていたので、そっちに降ろすという考えで、伊勢型を改装したんじゃないかって思うんですけどね。

伊勢型航空戦艦の艦載機は、“射出されたら最後、母艦には戻れない”という片道切符を強いられる。一旦飛び立ったら、別の空母か陸上基地に降りる想定だったが、実際は別の空母に着艦訓練なしで降りること自体、至難の業だった。画像は米空母「Bogue」

有馬 伊勢型というと、*彗星を載せる計画ももちろんあったんですけど、たとえば*瑞雲水爆であったりとか、水上機を載せる計画も当然ありましたよね。そういった方向では?

宮永 うーん、艦載機については、『World of Warships』では何を載せるかについてそんなに重視されていないかなって気がするんですよ。ゲームではあのタイムスケジュールなので、水上機収容とかまで再現するのは現実的ではないですし。

有馬 収容するには艦を止める必要がありますからね(笑)

宮永 そうなると爆装してどうこうってよりは、現状で巡洋艦でもやっている射程を延ばす観測機としてのモードを考えたほうが、プレイヤーへの負担は少ないのかなあとは思います。

 でもまあ最終的には、開発チームとしては艦上機を載せての空母運用をさせたいんだろうなって思いますね。

有馬 戦艦と空母のハイブリッド的なことをさせたいんでしょうね。

宮永 実際、唯一完成して実戦投入している航空戦艦ですから、そこまでやらせたいんじゃないかなあって思うんですけどね。

Image from Amazon.co.jp
1/700 帝国海軍シリーズ No.29 日本海軍航空戦艦 伊勢 フルハルモデル

伊勢型の航空戦艦化のメリットは
“後部に被弾しても致命傷になりづらい”ことぐらい!?

有馬 航空戦艦時代の伊勢型の一般的なイメージとして防御力が低いんじゃないかっていうのがあるんですけど、じつはそんなに低いこともないんですよね。5番・6番砲塔を撤去して、そこに普通船舶構造の上棟を取り付けただけですから、戦艦時代の装甲はまだその中に残ってるわけです。

宮永 むしろ5番・6番砲塔が無くなったことによって、そこに弾火薬庫もないわけですから、後部に命中させても致命傷にはならないという、いいフネなんじゃないかとも思います(笑)

 ただまあ、戦艦としての能力はしょせん扶桑型プラスアルファなので、やはり格上との撃ち合い、特に16インチ級が飛んでくるとズバズバ抜かれることになるかもですね。

有馬 あとは、伊勢型は日本戦艦のなかでいちばん針路保持の難しい艦だったそうなので、そのあたりがどう活かされるかですね。

もし伊勢が実装されるなら、Tier6の戦艦「扶桑」から派生する形だろうか……ロマン艦と言えばまず名前の挙がる一隻だけに楽しみだ!

もし伊勢型航空戦艦が実装されたら……
“チームが求める役割”をこなせるかが重要になるはず

宮永 ですね、そういう意味では一番重い砲塔などがごっそり無くなったぶん、バランスがいっそう変化していたかもしれません。

 ゲームに実装する上での問題は、自分の艦隊に伊勢型がいたとして、どっちの役割を求めるかってことだと思うんです。

 プレイヤー単独で楽しむだけならいいと思うんですけど、艦隊戦というシチュエーションを考えたときには、『空母でいて欲しいんだけど』ってときに撃ち合いに終始していたり、『今は火力が欲しいんだけど』ってときに空母として動いていたりとか、そのへんの2つの顔を使いこなすことをどうプレイヤーに要求していくのかってことですね。

 でも開発チームに航空戦艦の資料は求められているので、、実装されるとなれば航空戦艦としてでしょうし、おそらく現在はそのへんのバランスを悩んでいるんじゃないかなって思います。

有馬 あー、判ります。立ち回り方が難しい艦になるかもしれませんね。

先日開催された「World of Warships 進水式」にて公開された利根型のムービー。艦橋の前に4基砲塔が並んでいるのがわかる

宮永 アジアオフィスの何ヵ所かで社内トーナメントとして、テストモードでの5対5の艦隊戦をしたんですよ。最初に空母1、戦艦1、巡洋艦2、駆逐艦1みたいに編成から決めてやるんですけど、「この海域はここがチョークポイントだぞ」とか、「あのチームにはこんな戦術があるから我々はこう対抗しよう」とか、綿密なブリーフィングをしてから臨むんです。

 『World of Tanks』でも社内トーナメントはあるんですけど、『World of Warships』の場合はそれよりもさらに深いんですよね。

 そういったテストプレイで今後伊勢型の立ち回り方を研究してみれば、また違った見方が出てくるかもしれませんね。

有馬 Tierとしてはどのあたりに出てくると思いますか?

宮永 うーん、今のところ判らないですね。7はないだろうから、6の扶桑から横にずれる形で実装されるんじゃないか、と想像しています。いつ実装されるかは未定なんですけど。

 今のところ日本で判っているのは、年末を目標に利根型を実装することが予定されています。

※彗星……日本海軍の艦上爆撃機。伊勢型には改造を施した彗星22型が搭載される予定となっていた。
※瑞雲水爆……日本海軍の水上偵察機、瑞雲11型のこと。250kg爆弾を搭載して急降下爆撃も可能であったことから、水上爆撃機と紹介されることも多い。

(次ページでは、「ワビサビどころか「いつでも魚雷カーニバル開催中!」な北上型はWoWsで復活するのか?」)

この記事をシェアしよう

ASCII.jpの最新情報を購読しよう