• Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

【前編】現役ミリタリーライター宮永・有馬のミリタリー放談

航空戦艦伊勢!重雷装艦北上!WoWsで語るロマン艦の世界~WGJ宮永忠将氏

2015年11月25日 18時00分更新

文● 有馬桓次郎 編集●南田剛志、村山剛史/ASCII.jp

ロシアユーザーなら、北欧の艦にも馴染みあり!? (C) Wargaming.net

『World of Warships』開発チームは世界の軍艦800種をリストアップ済み!

有馬 私としては北欧諸国、たとえばフィンランドのイルマリネン級海防戦艦なんかも、いつか実装して欲しいと思ってるんですけど。ソ芬戦争でも活躍してるし、ロシアのユーザーにも知名度はそれなりにあるんじゃないかと思ってるんですけどね。

宮永 開発チームが持っている艦のリストには800種類ほどの艦があるらしいですから、もしかしたらその中に含まれてるかもしれませんね。

有馬 800種類ですか!?

宮永 ええ、800って言ってました。ただし、これがどういう意味合いでの800種類のリストなのかは判らないんですけどね。先ほども言った通り、1隻につき8ヵ月もの時間をかけてモデリングしていくわけですから、当然そのすべてが実装されるわけではないと思いますけど。

800種類をリストアップとは夢が広がる話! いつかは敵艦隊に突撃する秋津洲の姿も見られるのだろうか。(C) Wargaming.net

有馬 宮永さんが、個人的に入れて欲しいと考えている艦はありますか?

宮永 そうですね、私が入れて欲しかった艦は今でも大体揃ってるんですけど……強いて挙げるなら、『World of Tanks』でもフランスツリーが好きなんで、フランス艦かな。

有馬 リシュリュー級戦艦とか?

宮永 あー、リシュリュー級いいですね。どれくらい使えないかってことも含めて見てみたいです(笑)

 フランスの戦略環境ってソ連とすごく似てて、海軍を持つのにあんな不利な国はないよなって思うんですね。イギリスを意識した北大西洋方面はドーヴァー海峡で分断されていて、さらに北海ではイギリスに加えてドイツとも対しなければならない。

 地中海を向くとイタリアが……と、それぞれ仮想敵に合わせて全然性格の違う艦隊を、それほど海軍の重要性が高くない国情のなかで用意しなきゃならないわけです。そのなかでもがきながら生み出された艦っていうのがどんなものか見てみたいですね。

※イルマリネン級海防戦艦……海防戦艦とは、自国の海岸線防衛のために小型の船体へ大口径の主砲を装備した艦のこと。主に小国の海軍で運用されたが、そのうちフィンランドのイルマリネン級はソ芬戦争においてソ連と砲火を交えた。
※リシュリュー級戦艦……ドイツのビスマルク級、イタリアのヴィットリオ・ヴェネト級に対抗して建造されたフランスの戦艦。38cm四連装砲2基を前部に配置した特異な艦型の戦艦である。1番艦「リシュリュー」はダカール沖海戦でイギリス艦隊と戦った後に大破、後に自由フランス海軍の旗艦に。2番艦「ジャン・バール」は建造途中ながらアメリカ戦艦「マサチューセッツ」と砲戦を繰り広げている。

海外ユーザーにとって日本艦は美術品!?
最後発だがスペックは……の松型や信濃の扱いは?

有馬 実際の話、日本ツリーは海外のユーザーにとってどれくらいの反響があるものなんでしょうか?

宮永 日本の艦は海外でも人気ですね。というのも、海外では日本の軍艦についての情報発信がほとんどないので、こういうスケールのまとまった形で出てきたことに対してが1つ。もう1つは美術品としての見方で、日本の軍艦については美しい、ということで人気が高いように思います。

有馬 日本人が造ったものということで、何かオリエンタルな雰囲気があるような感じなんでしょうかね。

宮永 そうですね、日本海軍はイギリスを手本として誕生したんですけど、徐々にカスタマイズを加えていって日本独自の美学が反映されてるというか。それは一方で長所でもあり、一方で芸術的なまでに美しい曲線の艦首を造ってみたけど、松型を造ってみたらあまり意味がないことが判ったとか、そういった無駄なセンスを発揮したところに興味がかき立てられるんでしょうね。

いまのところ対空戦闘は自動で、操作もできない。秋月型駆逐艦など防空に優れた艦の強みがどう活かされるのか気になるところだ。(C) Wargaming.net

有馬 そういや松型駆逐艦秋月型駆逐艦は、『World of Warships』でどんな扱いになるんでしょうね? 秋月型は長10cm砲で防空能力こそ高かったけど、魚雷に関してはそれほど強力ではなかったですし……。貫徹力と速射性には優れていたので、対軽巡くらいなら意外に強い艦になるかもしれないですけど。

宮永 どうなるんでしょうねえ。現状の巡洋艦ツリーを重巡と軽巡に分けた上で、その中に潜り込ませるって手もありますね。松型については……うーん、『World of Warships』ではTierが進むにつれて時代が新しくなって性能も強くなっていくものなんですけど、松型は最後発だけど性能的には従来艦より落ちますからね。そのあたりをどう表現するのか。

有馬 あ、そうだ。「信濃」に関してはどうなんでしょう? これも読者が知りたい情報だと思うんですけど。

宮永 「信濃」はスペックを考えたときに、Tier10の価値があるかって言われると、明らかに違いますよね。あれは分厚い装甲を施してあるけれど軽空母並みの搭載量しかない空母ですからね。サイズがデカいだけで、単なる頑丈な中型空母ですよ。

有馬 そうだなあ、非常に使いにくい艦になるでしょうねえ。

※松型駆逐艦……太平洋戦争中、日本海軍が建造した戦時量産型駆逐艦。艦名はすべて樹木からとられたため「雑木林艦」と揶揄される。それまでの建造に手間のかかる曲線的デザインから量産性を追及した直線的デザインに変更するなどした結果、最短五ヵ月という当時の日本としては驚異的な速成建造を達成している。
※秋月型駆逐艦……日本海軍の駆逐艦。防空能力に特化しており、長砲身10cm連装高角砲4基を艦の前後に装備する。
※「信濃」……大和型戦艦3番艦「信濃」のこと。太平洋戦争の開戦後に建造がストップしていたが、ミッドウェー海戦において空母4隻が一挙に失われた結果、「信濃」を空母として完成させる事が決定。軽空母ほどの搭載機数をもつ重装甲空母として建造が進められたものの、竣工直前の1945年、呉へと回航中に潮岬沖で撃沈された。

後編はこちら

後編も、ド真ん中に艦橋がそそり立つ空母フューリアスから
ネルソン級、ハバクック(!)までロマン艦が目白押し

(提供:ウォーゲーミングジャパン株式会社)

■関連サイト

この記事をシェアしよう

ASCII.jpの最新情報を購読しよう