プレイリストを見られるか否かが使い勝手を左右している
キャリア契約と関係なく使えるのは、ガラケーからスマートフォンの時代になり、ユーザーをキャリアのサービスに囲い込むのが難しくなったから。ほかのキャリアにもコンテンツサービスを開放して、サービス利用料の増益を図ろうという流れになった。その流れの中で開発されたのが、うたパスやdヒッツのような、安い料金設定の月額サービスということになる。
出自は同じだが、使い勝手はかなり違う。まず、うたパスのプレイリストは、言ってみればブラックボックスで、再生が始まるまでどんな曲が登録されているのかわからない。そして1日10回までのスキップ回数制限がある。これが、なかなか厳しい。飛ばしながら聴くこともままならないのだ。やはりサービスのコピー通り「とっておきのBGMサービス」としてラジオのように聴くのがよいのだろう。
一方、dヒッツは、プレイリストをスクロールして概観できるし、聴きたい曲があれば、そこまで飛ばして再生できる。スキップ回数にも制限がない。
うたパス、dヒッツ、ともに困ってしまうのは、検索した曲がプレイリストに入っていない場合だ。音源はデータベースにあっても、サービス側がそれをフォローするプレイリストを作ってくれていなければ再生できないのだ。このかゆいところに手が届かない感を味わいたくなければ、オンデマンド型を使ってくださいということなのだろう。ラジオ型は、あくまでもわかりやすさに重点を置いた、音楽配信サービスの入り口なのだ。
ただ、dヒッツにはちょっとおもしろい仕掛けがある。
(次ページでは、「myヒッツはカセット世代にヒットする?」)