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音楽配信初心者向け、低価格でジャンルが細かい「ラジオ型」サービス

2015年08月11日 12時00分更新

文● 四本淑三

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毎月10曲までの制約がかえって楽しいmyヒッツ

 月額540円コースに「myヒッツ」という機能が付く。これは毎月10曲まで、自分の好きな曲をプレイリストに登録して、なんどでも好きなときに聴ける。ラジオ型でありながら、部分的にオンデマンド型の機能を取り入れたということで、サービス側では「ハイブリッド型」と呼んでいる。

 そして登録できる曲は、毎月10曲ずつ増えていく。myヒッツの保存有効期限は6ヵ月に設定されているので、最大でも60曲までということになるのだが、これがなかなかおもしろい。毎月決められた曲数で、なんとかやりくりしようとする、このケチくさい感覚はちょっと懐かしい。

 我々のような1960年代生まれ世代は、1970年代にはカセットテープにFM放送を録音して聴いていた。いわゆるエアチェック(死語)だ。

 テープに録音できる時間は、最長で90分。毎月のおこづかいで買えるテープの本数にも限りがある。だから、すべての放送を録音して保存しておくわけにもいかない。となると、消したくない曲だけダビングして残し、エアチェック用のテープは上書きして使う、といった工夫が必要になる。

 myヒッツは、どうもこの時代の状況の再現に近い気がする。もちろんオンデマンドで好きに聴けたらなんの苦労もないのだが、保存曲数を消費しないよう、いい曲を厳選しようとして無駄に神経を使うのも楽しい(ような気がする)。

 このmyヒッツのおかげなのか、dヒッツは2012年7月3日のサービスインから会員数を順調に伸ばし、現在の有料会員数は300万人を超えたと発表されている。ただ、キャリアのコンテンツサービスは、ユーザーが登録したことを忘れているケースがままあるので、実際のアクティブユーザーがどれくらいなのかはわからない。

myヒッツに保存したプレイリスト画面。2ヵ月使っているので、保存できる曲数は20曲に増大。再生中に好きな曲があったら保存する、というのが基本的な使い方だが、裏技的な使い方もある。先のように検索にヒットした曲がプレイリストに入っていないために聴けなくても、myヒッツに保存すれば聴けてしまうのだ

 ところで、会員数といえば。

(次ページでは、「Apple Musicのユーザー数に思うこと」)

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