格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第272回
2025年のモバイル業界や格安SIMはSIMだけ乗り換えがさらに広がる? 値下げよりサービス内容や通信品質が問われる時代に
2025年01月05日 12時00分更新
2025年の格安SIMはどうなるのか。スマートフォン販売と各種値引き、さらに3大キャリアの動向はどうなるのかを予想した。
スマートフォンを安く買う方法が少なくなり、割引は複雑化
2023年に続いて2024年も年末ぎりぎりに総務省がガイドラインを改正して、販売ルールが変更された。こうしてスマートフォンの買い方の自由が狭められていく。何を目指しているのかという議論はともかく、さらに複雑化し、ワケがわからなくなっている。
今回の変更では、値引額の算定根拠となる中古買取価格の基準をRMJ(一般社団法人リユースモバイル・ジャパン)という中古端末を取り扱う企業が加盟する業界団体の平均値を利用することになった。
従来は通信事業者が予測した金額だったので高めになることもあったが、RMJの数値を使うことで2年後の残価が低くなる傾向となり、最初の2年間の支払いを低くして、返却で残債免除とする分割払いがしにくくなる。
続いては、ミリ波対応のスマートフォンの値引き上限額がアップする(最大1万5000円引き上げされ5万5000円に。割引額は以下すべて税抜)。iPhoneはもちろんAndroidのハイエンド機もミリ波非対応が主流になっており、こちらはあまり影響はないのかもしれない。
大きな影響があるかもしれないのは、新規契約者に一定期間の割引を認める、通称「お試し割」の解禁だ。このお試し割では、端末購入をともなわない回線のみの契約者に対して、最長6ヵ月の期間に最大2万円まで割引ができる。2024年に話題になった月3000円で30GBのプランなら、加入半年間は無料にすることが可能という計算だ。
それでも、スマートフォンを安く買う方法は残るはず
このように値引きの規制はされるものの、スマートフォンを安く買う方法は残ると思われる。なぜなら、スマートフォンの価格が高額化することにより、中古価格も上昇し、買取価格も高くなるからだ。
実際、一括1円で大量にスマートフォンが売られていた時代に比べ、中古価格は高くなっている。たとえば、iPhone SE(第2世代)は2021年から2022年にかけて未使用中古機が2万9800円前後で大量に売られていた。
ところが、それから3年たった今、状態が良いiPhone SE(第2世代)の中古機は2万円を下ることはなく、非常に状態が良ければ3万円近い。OSのアップデート期間が長く、古い機種でも使いやすいiPhoneだからこそ相場を下支えされているが、Andorid機でも低額で買い取られていたのに、2024年に買取相場が上がっている機種もある。
また今後、スマートフォンを安く買う方法が少なくなることで、買い替えサイクルが長くなり中古機自体の流通が少なくなりそうだ。その場合も中古価格は上がりそうだ。
このサイクルが動き始めると、前述のルールにあてはめて、2年後の中古買取価格が上昇すれば、最初の支払額を低く設定した分割払いがしやすくなるだろう。
なお、参考までに新ルール初日の2024年12月27日の時点では、店頭でiPhone 16のMNPでの価格は、最初の2年間は毎月800円前後の24回払いというものだった。iPhone 15なら月200円前後×24回で大きく変わってはいなかった。
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