国産クラウドのチャレンジ!「IDCFクラウド」徹底解剖 第2回
エンジニアの経験を元に使いやすさを徹底追求!
IDCFクラウドの「感動できるUI/UX」はこうして生まれた
2015年07月31日 07時00分更新
こだわり① 「めちゃ楽ガイド」で操作は迷わない
初めてのユーザーはIDCFクラウドの初期設定がわかりやすくまとまった「めちゃ楽ガイド」を参照しよう。仮想マシンの作成やネットワーク、ファイアウォール、ポートフォワードなどの設定、SSHを使った仮想サーバーへのアクセスまでが図入りで説明されているほか、よくある質問で基本構成やライセンス、機能について丁寧に解説されている。一方で、めちゃ楽ガイドで慣れた人を前提に、UIでの説明文は最小限にとどめた。「いったん理解した方はむしろ説明は目障りなので、説明文は可能な限りそぎ落としました」(寺門氏)とのことで、さっぱりした見た目になっている。
こだわり② 検索も編集も1画面で完了!仮想マシンの一覧
仮想マシンの画面のこだわりは検索。「以前なかったので、作りました。インクリメンタルサーチなので、入力中に候補が出てきます。あと、仮想マシン名だけでなく、作成日時やVMサイズ、IPアドレスなどあらゆるデータを検索対象にできるようにしました」(寺門氏)とのこと、数多くの仮想マシンがあっても安心。表示も「ゾーン」「グループ」「20件」「100件」といった具合にソートでき、一覧もCSVファイルに出力できる。「仮想マシンの画面はサイトの中で一番操作されるページなので、画面設計は入念に行ないました。仮想マシンを操作、編集したあと、せっかく検索で対象を絞った状態が解除されるといらつくので、その状態を保ったまま操作ができるようにしています」(寺門氏)とのこと。
また、可能な操作を一覧させていることで、その時に使わなかった操作でも記憶してもらえるように配慮されている。「その時のステータスにより操作不可なアクションは無効であることをわかりやすく表現しています。加えて、なぜできないのかをマウスオーバーで表示させ、暗黙のうちに理解を深めてもらえるようにもしています。操作も一般的な編集モードは使わず、直接行なえるようにして、操作数を削減しました。この設計はすべてのリソースで統一されています」(寺門氏)。
こだわり③ 仮想マシンもテンプレートやイメージを選択するだけ
仮想マシンの一覧にある「仮想マシン作成」のボタンをクリックすれば、仮想マシン作成の画面になる。ゾーン(tesla/pascal)とマシンタイプ(Light 2種類/Standard 4種類/High CPU 4種類/High Memory 3種類/High IO 1種類)を選択する。「最初にログインした時は、ゾーンを選択しないで済むようになっている。選ばせる画面も出したくなかったんです」(寺門氏)。右側には常時「概算料金」が出てくるので、設定が終わったら、コストオーバーという事態に陥らないで済む。
こだわり④ 複数バージョンのイメージの選択も一目でチェック
仮想マシン作成時のイメージは「おすすめ Template」「My Template」「ISO」「その他」などから選択可能。OSはCentOS、Debian、RedHat Enterprise Linux、Windows Server、Ubuntuなどの各バージョンが用意されており、必要に応じて選択できる。「見た目をスッキリさせたかったので、OSやバージョン名が長いものは右端を切っていますが、マウスオーバーすると最後まで表示されるようになっています」というのも寺門氏のこだわりだ。
こだわり⑤ 複数のマシン名もIPアドレスもカスタマイズができる
マシンタイプやイメージを選択した後はボリュームやSSH Key、マシンの台数、ネットワークインターフェイス、詳細情報などを登録していけばよいのだが、基本はポイント&クリックのみで操作は容易。「プルダウン選択は極力使っていません。プルダウンは便利な場面もあるのですが、選ぶまでに、タップ、スクロール、タップと複数操作をしないといけないので、操作数を削減したいと思いました。また、複数台の仮想マシンを作る際は、詳細情報に共通の仮想マシン名を入力すると、残りのマシン名も入力してくれたり、IPアドレスも連番で自動的に割り当てられるようにしました」とのことで、入力は極力省力化されている。気が利いているのは、すでに利用されているIPアドレスは入力した時点でメッセージを出してくれる点。作成実行後にエラーで気づくというのを防げる。
こだわり⑥ 仮想マシンはインポートだけでなく、エクスポートも
仮想マシンはイチから作るだけではなく、テンプレートから作ったり、既存の仮想マシンをインポートできる。VMwareや他のクラウドのマシンイメージをIDCFクラウドに持ち込むのはもちろん、エクスポートも可能だ。「エクスポートできるとサービスを辞めやすくなっちゃうんじゃないという声もあったんですけど、僕の考えは逆。手軽に持ち込み、持ち出せるから逆に使ってもらえると思うんです」(寺門氏)。
こだわり⑦ IPアドレスの名前をつけられる
「IPアドレス」のメニューでは、IPアドレスに名前を付けられる。「IPアドレスって数字だけなので、何に使われているかわからなくなるんですよね。CloudStackにはその機能はなかったのですが、必要と考え自分たちで追加しました。同じようにファイアウォールやポートフォワードのルール単位でもコメントを記載できるようにしています」(寺門氏)。このようにユーザー目線で管理しやすくしたという。
こだわり⑧ 設定漏れをなくすボリュームとスナップショット
ストレージ周りもこだわった。「定期スナップショット」はもともとボリュームの奥の設定にあったのをボリュームの一覧と合わせて表示している。「何時に何世代分のスナップショットをとる設定になっているのか調べるのは、けっこう大変でした。画面を何度も行ったり来たりしなければならないし、設定が抜けているのに気がつかない場合も多かった」(寺門氏)とのことで一覧性を改善した。
こだわり⑨ 自動化を推進するAPIも簡単に使える
「API」を目立つようにサイドメニューに配置したことで、利用が増えたという例。「APIも昔はけっこう玄人向けだったと思います。でも、最近は一般的になってきたので、より目立つようにして、自動化を推進しています」(寺門氏)という。エンドポイントのURLやAPI Keyなどをワンボタンでコピーできるようになっていたり、APIリファレンスへのリンクもすぐ近くに配置されているので簡単に使い始めることができる。
(次ページ、こだわり⑩ 2段階認証の標準搭載でセキュアに利用)
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