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「スケーラビリティ」「UI/UX」「データ集積地」の3つの戦略を披露

オールフラッシュクラウド提供へ!IDCFクラウドの勝ち残り戦略

2015年11月11日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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11月10日、IDCフロンティアはクラウドサービスの新戦略発表会を開催した。クラウド市場で勝ち残るための戦略として「スケーラビリティ」「UI/UX」「ユーザーファースト」の3つを掲げつつ、西日本リージョンにオールフラッシュアレイを導入し、差別化を進めるという。

勝ち残るための西日本リージョンとネットワーク強化

 IDCフロンティア 代表取締役社長の中山一郎氏は、IDCFクラウドについて「積極的な投資を行ない、日本で一番となるという目標を掲げている。今回の北九州データセンターはその先駆けとなるもの」と説明。また、IDCFクラウドの存在意義が「パワフルでシンプルであること」であるとアピールし、今後は特にネットワーク分野に拡充していくとした。

IDCフロンティア 代表取締役社長 中山一郎氏

 続けて登壇したIDCフロンティア 取締役 技術開発本部 担当役員の西牧哲也氏は、国際通信からデータセンター事業者、そしてクラウド事業に進むIDCフロンティアの歩みを振り返り、「通信に強みを持っている。通信の上にクラウド、ビッグデータを載せている」と語る。昨年、さくらインターネットによるJoe'sクラウドの買収、HPのパブリッククラウド事業撤退、エクイニクスのビットアイル買収などの淘汰の動きが加速している現状を鑑み、「私たちはこうした中で勝ち残らなければならない」(西牧氏)と決意を示す。

IDCフロンティア 取締役 技術開発本部 担当役員 西牧哲也氏

 では、勝ち残りのためになにをすべきか。西牧氏は高いSLAをベースとした「サービス提供の継続性」、Yahoo!グループ内ならではの「スケールメリットの追求」、ユーザー体験や性能にこだわる「ユーザーファースト」を実現する必要があると語る。そして、これを実現すべく、IDCフロンティアは「スケーラビリティ」「UI/UX」「データ集積地」という3つのサービス戦略を掲げ、2010年代中に10万アカウントを獲得し、国内No.1を目指すという目標を披露した。

3つのサービス戦略

 スケーラビリティに関しては、パブリッククラウドからスタートし、ハイブリッドクラウド、データセンターなどでユーザーの成長過程をサポートしていくという。通常はデータセンターからハイブリッドクラウド、そしてパブリッククラウドというクラウドジャーニーが一般的に語られるが、西牧氏は「私たちの経験では、お客様はサービスの成長に従って、われわれが考えていたのと逆のパターンに進む」と語る。そして、これを支えるべく、2拠点で60万台規模のサーバーを収容可能な白河・北九州のデータセンターを強化するほか、ネットワークに関しても、現在の510Gbpsから1Tbpsまで拡張するという。

60万台を収容可能な白河・北九州データセンター

バックボーンは現行の510Gbpsを1Tbpsにまで拡大

 データ集積地という観点では、データセンター内で「データ」と「サービス」が流通する仕組みを提供する。「単にデータを預かるだけでなく、データやサービスが有機的に結合することで、お客様の新しい価値を作り出す。そんな場を提供したい」と西牧氏は語る。具体的なサービスの言及はなかったが、北九州のデータセンターでサービスエクスチェンジ的な機能を提供することで、アジアに向けた「IT産業のハブ」として機能させる構想を描いているという。

企業ユーザーから開発者にターゲットを変えた「IDCFクラウド」

 続いて登壇したIDCフロンティア 技術開発本部 UX開発部 部長 寺門典昭氏は、サービス戦略の1つであるUI/UXについてデモを踏まえて説明した。

IDCフロンティア 技術開発本部 UX開発部 部長 寺門 典昭氏

 IDCフロンティアは、2009年から「マネージドクラウド」、2011年からCloudStackをベースとした「セルフクラウド」をスタートし、IaaSという言葉が出る前からクラウドサービスを展開してきた。そして昨年には「使いやすくパワフル」をコンセプトに据えた「IDCFクラウド」をリリース。寺門氏は「従来は企業がターゲットだったが、対象を開発者に変え、1時間1円、1ヶ月500円で仮想マシンを提供することにした」と説明し、管理画面から仮想マシンを一気に10台作るデモを披露した。

 IDCFクラウドは従来のセルフクラウドの1年間の増加に比べて、約19倍アカウントという高い成長を得ているという。「お客様からは『とにかく速い』『ユーザーインターフェイスが直感的に使える』といった声を得ている」と寺門氏はアピール。開発者のみならず、ファンコミュニケーションズやCONNECTIT、グラブハートなどビジネスシーンでも採用が増えているという。

 サービスの進化についても、週1回ペースで機能強化を行なっているほか、RDBやDNSなどの新サービスを次々とリリースしている。これに伴って社内の開発体制も変革しており、「GitHubでコードを管理しているが、数えてみると、15分に1回のペースでコミットしている」(寺門氏)とスピーディで質の高いサービスの開発を手がけているという。

アカウント数は約19倍に急増

IDCフロンティアによる日本初の取り組み

 今後のサービスリリースとしては、オールフラッシュアレイを採用した西日本リージョンを開始するほか、ロードバランシングやプライベートコネクトなどを提供していくという。

 西日本リージョンの概要について説明したサービスディベロップメントグループ グループリーダー 梶本聡氏は、IPアドレスの数から考えて、日本のITが東京に一極集中しているという現状について説明する。その上で、各社のクラウドのデータセンターが地震の起こる確率の高い地域に置かれていると指摘。「リスクの高いところにお客様のサービスを置いてよいのか。もっと低リスクなところに置くべきとIDCフロンティアは考えている」と語る。これに対して北九州データセンターをベースとする西日本リージョンでは、災害リスクを下げられると説明。さらに国内最大級のバックボーンにより、真に地理的な分散が図れるとアピールした。

日本のITは東京一極集中

災害リスクの低い北九州データセンター

IOPSで東日本の2倍という高速なオールフラッシュクラウドを提供

 梶本氏は西日本リージョンにおけるオールフラッシュアレイ導入の経緯もあわせて説明した。従来のストレージは容量や負荷の増大との戦いになっており、これに対して東日本リージョンでは、フラッシュとHDDにデータを再配置し直す階層化管理を採用していた。しかし、階層化管理では、データをHDDに載ると遅くなるという弱点があるほか、階層化処理が自動的に行なわれるため、事業者側でコントロールできないという弱点があった。こうした課題から西日本リージョンではストレージにオールフラッシュアレイを導入し、IOPSで従来比の2倍(最大で40倍)という超高速クラウドを実現したという。

オールフラッシュアレイにより超高速なクラウドが実現

 西日本リージョンでのオールフラッシュアレイの導入について説明したIDCフロンティア カスタマーサービス本部 プラットフォームサービス部 金井崇氏は、「より高性能に、より安定的に」というユーザーニーズに応えた結果、スケールアウト型ストレージだけではなく、拡張性の高いネットワーク、性能のゆらぎ低減が必要になってきたと説明。単なるオールフラッシュアレイの導入のみならず、インフラレベルでの最適化を目指したことをアピールした。

 製品選定に際しては6社の製品を比較し、インラインの重複排除やリアルタイム圧縮によるキャッシュの効率化、高速なVM作成を支援するためのコントローラー性能を検証したという。検証の結果、採用したのは「複製速度も速く、重複排除も効く。スケールアウトも可能になっている」というEMCの「XtremIO」。負荷試験では一貫したレイテンシを実現し、安定した性能を実現できることをアピールした。同社の検証では、4KBのランダムIOでは東日本リージョンの約2倍、ROOTディスクの検証では約40倍という値を叩きだし、データベース性能も飛躍的に拡大したという。

オールフラッシュアレイが提供する機能と価値

 梶本氏は、オールフラッシュのクラウドにより、物理サーバー並みの安定したI/Oを実現したほか、東西リージョンの広域分散で負荷や災害対策が可能になる点をアピールした。西日本リージョン(リージョン名:augusta)は本日付でオープンしており、国内事業者最安クラスの20円/GBで提供されるという。

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