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建物全体が煙突構造という省エネデータセンターの新標準

IDCFの“呼吸するデータセンター”を白河で体感してきた

2015年02月05日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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2012年に竣工したIDCフロンティアの白河データセンターは、絶妙なロケーションや外気冷却の全面採用、入館レスを前提としたマネージドサービスなどの特徴を持つ新世代型郊外型データセンターだ。単に見るだけではなく、空気の流れや温度などをまさに体感してきた。

「真っ白な世界に1人のわたしー♪」とエルサ気分で白河データセンターへゴー

遠すぎず、近すぎずの絶妙なロケーションで分散のメリットを得る

 仙台と東京の中間に位置し、東北の玄関口とも言われる福島県の白河市。この白河市に建設されたIDCフロンティアの東日本最大拠点が白河データセンター。セキュリティや至便性を重んじる都心型データセンターと異なり、コストと省エネにも配慮した新世代の郊外型データセンターの代表格とも言える存在だ。

1号棟を横から見ると、こんな感じ。雪は降っているが、むしろ珍しいくらいだとか

 もともとIDCフロンティアは東京、大阪、北九州などにデータセンターを持っていたが、2009年頃から最新の外気空調や郊外型、マネージド型といった新しいコンセプトを作ろうということで、白河データセンターのプロジェクトが立ち上がる。用地取得を完了した後、震災直後の2011年4月に着工し、需要を見越して作られた2号棟も2014年6月に稼働し始めている。

 白河という立地に関しては、いくつかの理由がある。まず外気冷却の導入を前提としていたため、冷涼な気候が必要という点だ。白河は夏の平均最高気温が30℃を超えることはなく、冬の平均最低気温も-5℃を下回らないという、年間を通して涼しい気候。降雪量もそれほど多くなく、見た目と違ってあまり寒くない。

冷涼な気候、首都圏から遠すぎず、ネットワーク遅延が小さい、電力会社分散ができるなどのロケーションメリット

 また、首都圏から遠すぎないため、ネットワーク遅延が小さいというメリットもある。東京と白河データセンター間の遅延は3.5ミリ秒で、北海道の15ミリ秒、沖縄の35ミリ秒に比べてかなり短い。また、群馬や千葉など首都圏のデータセンターともほとんど変わず、東北でありながら、東京から200km範囲なので、首都圏と同じ感覚でネットワークを利用できるわけだ。実際、最寄り駅にあたる新白河は、東京から東北新幹線で1時間20分なので、物理的にも思いのほか近いと感じた。

 東日本大震災の件もあり、災害対策も気になる。その点、白河は今後30年以内で地震の起こる確率が東名阪に比べて低く、データセンターの建物自体も耐震構造が施されているので安心。また、海岸線からも50km離れているほか、データセンター自体が高台に位置しており、水害の可能性はきわめて低いという。加えて白河データセンターは東北電力の管区内のため、東京電力や関西電力など他の電力会社との供給の分散化にも寄与する。分散化のメリットを得られるロケーションというわけだ。

歩いて15分の丘の上から撮った貴重なショットなので大きめに。海岸や川からも遠く、建物が高台にあるため、水害にも強い

外観は巨大なエアコンか、はたまたオーディオセットか

 建物は100mの奥行きを持つ管理棟の左右に1号棟・2号棟がくっついており、上から見るとT字型になっている。1号棟・2号棟ともに述べ床面積は5900㎡で、それぞれ600ラックを収容できる。正面から見ると、1号棟・管理棟・2号棟あわせ横幅は150mになり、かなり長い。前面に防音用のルーバーが設置された独特な建物はやや表現しがたいが、少し遠目から見るとやはり巨大なエアコンか、はたまたオーディオセットとも言えようか。なお、ガスタービン発電機や特高受電設備などは建物とは別途、屋外に設置されている。

左の1号棟と右の2号棟の間に管理棟がある。エントランスは中央の管理棟にある

外見を特徴付けているルーバーは防音のために設置

停電時に電力を供給するガスタービン発電機は4500kVA×5台のN+1構成。建物の外に設置されている

東北電力からの電力を受電する特高受電設備も屋外に設置。本線・予備線の2回線を受電している

裏側から見たところ。手前に2つ同じ建物を建てるスペースがある

管理棟の一番背後には資材の搬入場所がある

変電設備は1階に。建物の外側から入れるようになっている

利用頻度は低いが、冷却設備も用意されている

(次ページ、外気冷却に最適化された構造を持つ独特の内部構造)


 

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