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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第196回

無料で写真を無制限に保存できる「Googleフォト」を活用する技

2015年06月10日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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自動的にタグを付けてくれるのが超便利

 写真はタグで管理することもできる。「Googleフォト」のすごいところは、このタグを自動で付けてもらえる点。写真の内容を分析して、場所や被写体ごとにタグを付けてくれるのだ。位置情報はジオタグを見ているだけなので理解できるが、被写体の「物」カテゴリーはなかなか面白い。筆者の写真だと、山、湖、超高層建築、ボウリングといった景色から、ワインやビールといった酒の種類まで分類されていた。結婚式やロッククライミングといったシチュエーションも認識している。驚いたのがロッククライミング。ボルダリングジムと山の崖を登っている両方を認識していた。

 分類されているタグだけではなく、任意のキーワードで検索しても高確率でヒットする。「犬」ではなく「ラブラドール」や「柴犬」でも見つかるし、「酒」ではなく「ウイスキー」でも抽出できる。「食品」ではなく「ピザ」や「カレー」でもきちんと検索できる。これはちょっと驚異的。写真の情報をユーザーが設定しなくてもいいのはとても助かるところだ。

 リリースには人物「People」も分類できるとあったのだが、アプリ上には見当たらない。ヘルプを確認したところ、「顔認識を使用して探す」に「注: 国によってはこの機能を利用できないことがあります」とあったので、日本は対象外なのだろう。一刻も早く有効にしてくれることを期待したい。

 認識が間違っているときは、一覧表示の状態から右上のオプションアイコンをタップし、「結果を削除」をタップ。その後、写真を選んで、右上の「削除」をタップすれば除外できる。この操作ではタグのみを消去するので、写真そのものは削除されないので安心していい。「ネコ」タグに子犬が多数分類されていたので、片っ端から削除しておいた。

検索アイコンをタップすると、タグの一覧が開く

「場所」の「その他」をタップすると、撮影場所ごとに分類されているのがわかる

「物」の「その他」をタップしたところ。写真の内容を分析し、さまざまなタグが生成されている

「ロッククライミング」に、屋内のボルダリングも屋外のゲレンデも含まれていたのには感心した

「バー」タグも賢い。バーらしい景色がなくてもきちんと分類されている。「ウイスキー」と検索すれば、ワインでもビールでもなく、ウイスキーだけが抽出される

試しに「ラブラドール」「柴犬」で検索したところ、完璧な画像が出てきたときは目を疑った

間違って分類されているときは、一覧から右上のオプションを開き、「結果を削除」する。画面は「鳥」タグからリスの写真を削除しているところ

圧縮はほとんど気にならないレベル

 無制限保存ができる「高品質」モードだと、画像が圧縮されるのが気になる人もいるだろう。そこで、2100万画素、12.3MBの写真を「高画質」でアップロードし、圧縮された写真をダウンロードして比較してみた。解像度は5616×3744から、4898×3265の1600万画素になり、ファイルサイズは1.79MBに激減していた。その2つの画像を並べて表示したが、まったく違いはわからず。拡大したが、筆者には同じように見えた。ラベルの1文字を画面いっぱいにするほど拡大すると、圧縮された方がわずかにぼんやりとしているかな、と感じる程度だ。画面で見る分には不足はないし、スナップ写真の印刷や年賀状に使う程度でも問題ないだろう。

 とは言え、1600万画素以上の写真を撮りためている人にとっては、わずかな劣化も気になるところ。「元のサイズ」で大量の写真をアップロードするのも現実的ではないので、Googleフォトには1600万画素でアップロードしておき、元データは光学ドライブなどでバックアップを取る、といった使い方が考えられる。

 ちなみに、1600万画素以下の画像も圧縮は行なわれる。解像度はそのままだが、ファイルサイズがコンパクトになるのだ。もちろん、画質は前出のとおり、素人目には違いが分からない。

オリジナル画像のプロパティ。解像度は5616×3744ドットの2100万画素、ファイルサイズは12.3MB

圧縮後の画像のプロパティ。解像度は4898×3265ドットの1600万画素、ファイルサイズは1.79MB

オリジナル画像の拡大

圧縮後の画像の拡大画像

 筆者はDropboxといったクラウドサービスやFlickrなどの写真管理サービスを使っているが、「Googleフォト」の無料で無制限保存は魅力的過ぎて、乗り換え必至だ。ユーザーが殺到している現在でも1枚数秒でアップロードできるなど使い勝手もよく、信頼できる。今後の写真保存場所は、Googleフォトをメインにする人が増えることだろう。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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