自動的にタグを付けてくれるのが超便利
写真はタグで管理することもできる。「Googleフォト」のすごいところは、このタグを自動で付けてもらえる点。写真の内容を分析して、場所や被写体ごとにタグを付けてくれるのだ。位置情報はジオタグを見ているだけなので理解できるが、被写体の「物」カテゴリーはなかなか面白い。筆者の写真だと、山、湖、超高層建築、ボウリングといった景色から、ワインやビールといった酒の種類まで分類されていた。結婚式やロッククライミングといったシチュエーションも認識している。驚いたのがロッククライミング。ボルダリングジムと山の崖を登っている両方を認識していた。
分類されているタグだけではなく、任意のキーワードで検索しても高確率でヒットする。「犬」ではなく「ラブラドール」や「柴犬」でも見つかるし、「酒」ではなく「ウイスキー」でも抽出できる。「食品」ではなく「ピザ」や「カレー」でもきちんと検索できる。これはちょっと驚異的。写真の情報をユーザーが設定しなくてもいいのはとても助かるところだ。
リリースには人物「People」も分類できるとあったのだが、アプリ上には見当たらない。ヘルプを確認したところ、「顔認識を使用して探す」に「注: 国によってはこの機能を利用できないことがあります」とあったので、日本は対象外なのだろう。一刻も早く有効にしてくれることを期待したい。
認識が間違っているときは、一覧表示の状態から右上のオプションアイコンをタップし、「結果を削除」をタップ。その後、写真を選んで、右上の「削除」をタップすれば除外できる。この操作ではタグのみを消去するので、写真そのものは削除されないので安心していい。「ネコ」タグに子犬が多数分類されていたので、片っ端から削除しておいた。
圧縮はほとんど気にならないレベル
無制限保存ができる「高品質」モードだと、画像が圧縮されるのが気になる人もいるだろう。そこで、2100万画素、12.3MBの写真を「高画質」でアップロードし、圧縮された写真をダウンロードして比較してみた。解像度は5616×3744から、4898×3265の1600万画素になり、ファイルサイズは1.79MBに激減していた。その2つの画像を並べて表示したが、まったく違いはわからず。拡大したが、筆者には同じように見えた。ラベルの1文字を画面いっぱいにするほど拡大すると、圧縮された方がわずかにぼんやりとしているかな、と感じる程度だ。画面で見る分には不足はないし、スナップ写真の印刷や年賀状に使う程度でも問題ないだろう。
とは言え、1600万画素以上の写真を撮りためている人にとっては、わずかな劣化も気になるところ。「元のサイズ」で大量の写真をアップロードするのも現実的ではないので、Googleフォトには1600万画素でアップロードしておき、元データは光学ドライブなどでバックアップを取る、といった使い方が考えられる。
ちなみに、1600万画素以下の画像も圧縮は行なわれる。解像度はそのままだが、ファイルサイズがコンパクトになるのだ。もちろん、画質は前出のとおり、素人目には違いが分からない。
筆者はDropboxといったクラウドサービスやFlickrなどの写真管理サービスを使っているが、「Googleフォト」の無料で無制限保存は魅力的過ぎて、乗り換え必至だ。ユーザーが殺到している現在でも1枚数秒でアップロードできるなど使い勝手もよく、信頼できる。今後の写真保存場所は、Googleフォトをメインにする人が増えることだろう。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。
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