まもなく展示開始、Apple Watchを世界先行レビュー
Apple Watch: アップルによる腕時計の再定義
2015年04月08日 21時01分更新
腕時計の伝統へのリスペクトと、
伝統を革新する見事な作り込み
未来のライフスタイルを感じさせる一方で、Apple Watchは時計の伝統へのリスペクトを感じさせる一面もある。
そもそも文字盤のクロノグラフやミッキーマウス時計なども、定番時計を踏襲した上でアニメーションやカスタマイズ性で進化させたものだし、時計のバンドにしてもそうだ。
Apple Watchのバンドは全部で6タイプがあり、もっともオーソドックスなクラシックバックルにしても繊細で独特な質感を与えるために特殊な加工を施したダッチレザーを使っていたり、一見、オーソドックスに見えるモダンバックルではバックル部分がふたつに分かれマグネットで吸着するようになっている。エラストマー樹脂のスポーツバンドも、モチモチしたこれまでにない上質な肌触りに仕上がっていたりと驚かされる。
ステンレススチールで作られた板状のリンクがつらなったリンクブレスレットは、これまでの同様のブレスレットと違い特殊な工具を使わず爪で裏側のボタンを押してひとつひとつのリンクを着脱できる。
筆者が試用したステンレススチル製のミラネーゼループは19世紀末にミラノで生まれたメタルメッシュのブレスレットで、これまでも多くの腕時計で採用されてきたが、アップルはこれを現代的に解釈。メッシュを圧倒的に細くして布のようなしなやかな質感を備える。
クラスブと呼ばれる留め金は、強力なマグネットになっており、磁力でバンドにピタっと吸着し、腕を強く振ってもはずれない。無段階で調整でき、好きな長さでとめておけるのも大きな魅力だ。
実は、Apple Watchを装着した状態でMacBook Proで長時間作業をしていたところMacBook Proのアルミのエッジでクラスブに少し傷が付いてしまった。それ以来、Macで作業する間はバンドを広げてヒジに近いところに固定している。おそらく、手首の細さとヒジ近くの太さの両方にピッタリと固定できるアームバンドはこれまでなかなかなかったはずだ。
ミラネーゼループを選ぶ前に30分ほどかけて全部のバンドを試着したが、どのバンドもありきたりのものはひとつもない。驚かされるようなストーリーと創意工夫に満ちていて、たまに用もないのに眺めては「今更ながら、腕時計っていいかも」と思わさせる。
時計とバンドは購入時に36種類の組み合わせの中から選べ、それぞれ工具なしで簡単に取り外しが可能だ。Apple Watch背面のボタンを爪で押し込みバンドを横にスライドさせるだけでいい。実はバンドの先端には3つの金具がついていて、Apple Watch本体にスライド装着すると真ん中の留め金が飛び出てひっかかるようになっているようだ。この時の「カシッ」というスナップしてハマる音も耳に心地よい。
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