外気冷却に最適化された構造を持つ独特の内部構造
次に建物の中を見ていこう。建物は鉄骨造の4階建で、骨格をやぐら状に組み立てて、外壁は機能上必要な部材だけで構築しているという。コンクリート造の建物と異なり、鉄板をベースにした内装は宇宙ステーションのようで、他のデータセンターとかなり異なった印象だ。
白河データセンターの最大の特徴は、やはり外気冷却の全面採用だ。同社の北九州データセンターではあくまで空調がメイン、外気がサブという感じだったが、白河データセンターでは年間負荷の9割を外気冷却でまかなっている。白河の涼しい外気をフィルターを介してコールドアイルに導入し、IT機器を冷却。その排熱を「ホットチャンバー」に送り込み、温かい空気が上昇する煙突効果と太陽熱による上昇気流により、建物の最上部から排気するという構造になっている。極力、機会の手を借りず、自然の力で吸気・排気しているわけだ。
冷やす電力に加え、空気を動かす電力まで押さえることで、コストとPUEを下げているのが大きなポイント。外気の取り込みや内部循環の有無、除加湿などの違いで6つのモードが用意されており、ASHRAEの推奨範囲に収まるよう、すべてが自動制御されている。外気を取り入れ、自然の力学で排気する。植物のように“呼吸するデータセンター”とも言えるだろうか。
さて、今回は2・3階にあたるサーバールームよりも上階にある排気ゾーンにも立ち入らせてもらった。前述したとおり、IT機器の排気は煙突効果と上昇気流で上階のホットチャンバーを経由し、チムニー(煙突)から排気される。まさに煙突構造だ。
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