前回の「最新トレンドの成功者から学べ! ECサイト研究レポート」では、BASEとロコンドの業務提携に至った背景について紹介した。今回は企業ユーザーがBASEでネットショップを作成するメリットを、ロコンドの事例を参考にしながら紹介しよう。
決済ツールとしてのBASE
BASEを利用している企業ユーザーは、全11万店のうち約2割に過ぎない。元々、BASEの鶴岡裕太CEOが「母でも作れるネットショップ」を目指し、お金や知識に制約されることなく、“無料で誰でも簡単に”作成できるネットショップをコンセプトにしているためでもある。
しかし、BASEは個人利用だけを目指しているわけではない。「企業ユーザーにとって、オンラインでモノを販売する決済ツールとして、BASEは使い勝手がよいはず」。BASEのマーケッター金城辰一郎氏は、ブランドをしっかり見せられるデザインやUIとともに、決済ツールとしての完成度にも自信を見せる。
「決済代行手数料はクレジットカードとコンビニを選択した場合のみ、1決済につき3.6%+40円と低額に設定していますので、法人でも個人でも導入しやすいはず」(金城氏)
さらに、BASEでは自分で売上金の振込日を指定できる。売上が確定すると一旦BASEで売上金を預かる形となり、管理画面上から自分のタイミングで、引き出せるのだ(1回の引き出しにつき、振込手数料が一律250円必要。引出額が2万円未満の場合は、500円の事務手数料が発生)。
申請後、10営業日で振り込んでいるので「企業としては、キャッシュフローのコントロールもしやすいのではないか」(金城氏)と企業ユーザー側の利点を強調する。
提携企業には一括登録機能を提供
BASEでショップを作成するのに必要なものは、個人、企業に関係なく「メールアドレス・パスワード・銀行口座」の3つのみ。トップページでショップのURLを任意で決めて、メールアドレスとパスワードを入力したら、完了だ。クレジットカード決済とコンビニ決済を利用する場合は別途申し込みが必要だが、即時審査を採用しているため、誰でもすぐに使える。
あとは、管理画面から商品情報を登録して、決済方法を選択し、「特定商取引法に関する表記」の必要情報を入力すれば、晴れてショップのオープンとなる。
分からないことは、管理画面からメールやリアルタイムのチャットで問い合わせられるので、安心だ。ロコンドの田中裕輔代表取締役社長も「我々がブランドさんの管理画面に入って写真や商品説明を登録しているんですが、特に使いにくいところはなく、とても満足しています」と笑顔を見せる。
商品情報の登録操作は簡単でも、ひとつひとつ画像をアップロードするとなると、商品点数が多いと大変だ。
「ロコンドさんとの提携では、一度に数百商品をアップロードできる機能の開発が肝でした」(金城氏)
一括アップロード機能は、他のユーザーから要望されているが、現状はロコンドのような企業提携したところにだけに提供している。