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ネットプロモの成功のカギとは!? ウェブ担のお悩み解決! 第6回

「今のウェブ販促に足りないもの」とは?

大手ショッピングモールでは不十分!? ネットショップ作成サービス3社が語る

2014年10月30日 11時00分更新

文● 二瓶 朗

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大手サービスへの依存は時代遅れ?
多様化するニーズに合わせたサービスを

大手オンラインモールと小規模ECサイトを比較したメリット・デメリット。

 最初のテーマ「大手サービスへの依存」という話題で、熊崎氏が強く主張したのは「差別化」ということだった。

 画一的サービスを提供する大手モールサービスが必ずしも時代遅れというわけではないが、ITの世界は多様化の一途を遂げている。それに合わせ、ECサイトを運営する場合でも、他店と異なるポイントを設けるべき、という主張だ。

 扱う品物はもちろんだが、商品の打ち出し方やアピールの仕方、またサイトのデザインでの差別化が必要ということ。これは、リアルのショッピングモールでも同じことで、周囲の店舗と店構えが同じでは単に価格競争に陥ってしまい、売れるモノも売れなくなってしまう懸念がある。自サイトを容易に作れるソリューションでありながら、デザインによってオリジナリティを出せるのが「BiNDクラウド」の強みということだ。

 また、大手オンラインモールで時折行なわれる横並びサービス(「●●スーパーセール」のようなイベント)を嫌う販売者も少なくない。オリジナリティを出して差別化を図りたい人にとっては足かせになるからだ。予算と運用にコストをかけられるならば、大手サービスを利用しながら、BiNDクラウドを使ってオリジナルサイトを作成、運用して両方併用して良さを活かして営業していくのもいいのではないだろうか。

PCとモバイルの特性を見極めて
それぞれのお客さまに合ったデザインに

PCとモバイルの特性の違い。

 運営するECサイトをPCとスマホ(モバイルデバイス)へ両対応する手段として、レスポンシブサイトの需要は増えていくと予想する熊崎氏。しかしBiNDクラウドはいまのところ「あえて」レスポンシブデザインに対応していない。熊崎氏率いるデジタルステージには「モバイルファースト」という意識があるからだ。

 スマートフォンなどのモバイル端末は、多種多様な機器があり、画面サイズや操作感がそれぞれの端末で大きく異なる。根本的なユーザービリティが違うと、そこで閲覧するウェブサイトのデザイン、操作UIの設計も違ってしかるべきという考えだ。

 また、モバイル端末を使うユーザーは短時間でサイトを閲覧することが多く、PCの前で腰を据えてサイト閲覧する場合とは異なる見られ方をするのが現状。そのため、モバイル版ページでは文字数を減らす、写真の点数を絞るというような「情報量を減らす」対応が必要となる。だからこそ、BiNDクラウドではテンプレートをPC対応とスマホ対応で「あえて」分けて、それぞれに適したデザインを施せるようになっている。

 もちろん、今後はレスポンシブ機能も搭載していくことを視野に入れているが、その場合も「モバイルファースト」の意識でリリースするのは間違いないようだ。

海外では「Facebook離れ」!?
SNSを使ってお客さまを増やすには?

BiNDクラウドに付属する「SYNC 5」は、SNSや動画サービスなど、外部のさまざまなインターネットサービスと連携する機能を搭載。さまざまな情報を通して顧客とのコミュニケーションがとれるようになっている。

 会場来場者が自サイトの宣伝に多く使っているように、日本ではSNSの中でもFacebook全盛の時代が続いている。しかし熊崎氏が先日ロサンゼルスに訪れて視察したところ、若い人のFacebook離れが激しく、ほかのSNSへ移行している印象を受けたのだという。移行先はより簡単に情報を共有できる「Instagram」のようなサービス。今後日本でも、Facebookへの滞在時間は短くなっていくと熊崎氏は予想する。

 そのようにSNSの隆盛は変遷していくが、ウェブサイト、ECサイトというものはずっと残ると熊崎氏は主張する。サイトには普遍的な価値があるということだ。

 そのなかで、ユーザー(お客さま)がどういったSNSを利用しているのかという時流を読んで、そのSNSのメディア特性を把握する必要がある。ユーザーの立場に立って考える、見極めてSNSを活用して宣伝、集客に活用することが必要ということだ。

 BiNDクラウドでは、Facebook、TwitterといったSNS、YouTubeやUstreamといった動画配信系サービス、Yahoo!地図やGoogleドキュメントなどとの連携が可能となるパーツが15種類以上も搭載されている。そのパーツを、シールを貼るようにテンプレート内に追加することでサイトに組み込むことができる。

 そして、熊崎氏のいうようにSNSやウェブサービスの主流が変遷したとしても、将来的にはそれらのサービスを増加させたり、移行できたりと柔軟に対応できるのがクラウドサービスとしてのBiNDクラウドの大きな強みである。

SNS時代だからこそ
おすすめの販促手段は「メール」と「ブログ」!?

BiNDクラウドユーザーは、世界10万社が利用していると言われているメール配信システム「Benchmark Email」を利用できる。

 ディスカッション最後のテーマで、ECサイトの重要な販促のキーワードは「写真」ということは全パネリストで一致することだった。

 その中で、熊崎氏が主張したのは「メール」。実際、デジタルステージはいまだに販促にはメール施策に力を入れているのだという。具体的には、同社のキャンペーン企画を、公式サイトからのHTMLメールとして送信し、その到達率を把握しているそうだ。コミュニケーションを目的とするSNSに比べ、コンバージョン率は遥かに超える。

 ただ、メールによる販促で重要となるのは、「訴求力」のあるメールを作ることだ。かつては文字のみのテキストメールが一般的だった販促メールだが、現在ではHTMLメールが主流で、画像を含んだり、文字装飾があったりリンクが貼られたりするのは普通のこととなっている。だからこそ販促における8割ぐらいの力をメール作成に注ぐことこそが意外にも効果のある手段ということになる。

 BiND クラウドを契約すると、世界10万社が利用していると言われているメール配信システム「Benchmark Email」を利用できる。販促メール、定期的なメールマガジンも一括で送れ、販促の大きな助けとなることだろう。

 そして、最近は軽視されがちな「ブログ」も活用しがいのある販促手段だ。ブログは即時性がありながら過去記事がしっかり残り、「記事が流れやすい」というSNSの弱点を補う利点もある。デジタルステージ自身も、改めてブログに力を入れ始めているそうだ。今後は、最先端のテクノロジが詰まったブログを更新していくというのも面白い試みかもしれないと熊崎氏は結んだ。

 今回開催された「THE WEB EC SUMMIT 2014」には、BiNDクラウド以外の同種サービスの概要、そして各社の方向性も明らかになった。このイベントのなかで、熊崎氏の発言からもデジタルステージそしてBiNDクラウドの方向性、未来もより明確になり、会場を訪れた参加者に届いたことだろう。

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