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お金を借りる「コツ」を資金調達コーディネーターに覆面調査

2014年11月12日 11時00分更新

カリーさん（覆面ライター）　編集●岸田元

まずは現在の自分の事業を見つめ直してみることから始めよう

人格、資金状況、事業計画の3点を見られる

カリー　それって具体的に何が違うんでしょう？

上野　3つポイントがあって、まずは経営者としての資質。居酒屋をやろうというときに、居酒屋で仕事をした経験が全くなければ、普通はなかなか難しい。今までどういうところに勤めてきたとか、マネージメントの経験はあるのかとかですね。コミュニケーション能力も重要。中小企業の場合は社長がセールスマンだったり、実際にサービスを提供したりするので、その人自身の接客力がひとつのカギになります。

いくちょん　技術力だけじゃないんですね。

上野　美容師が美容院を開業するときに、いくら腕がよくってもトークが不快感を感じさせるなら、ダメだろうなってなりますよね。あとは起業セミナーとかに通って、経営者になる準備をしているかというのも見ます。

カリー　……勉強になります。

上野　2番目は財政状態ですね。資産や預貯金がどれくらいあるのか、逆に借金はないのかという。

カリー　法人で借りてもも、社長の個人資産も見るんですね。

上野　見ますね。最たるものとして、クレジットカードの返済状況が分かる個人信用情報はチェックして、分割払いが遅れてないかとかはチェックしています。小さな支払いでも遅れないようにしないといけない。

カリー　ううっ。すでに引っかかってそう。

上野　最後の3番目のポイントが事業計画。どういう商売で、売上や利益はどれぐらい見込めるんですかという。特に大切なのが売上と利益。ラーメン屋さんを始めて月に100万円売り上げますよって言ったときに、お客さんの単価や席数、何回転しますっていう根拠がきちんといえるかどうか。

カリー　ハッタリじゃなくて、ちゃんと考えてるんだよっていうのが裏にあればいいんですかね？

上野　そうです。やってみなきゃわからない部分があるのはわかりますが、「なるほどな」って思わせる部分がないといけない。元々務めていたラーメン屋さんでこのぐらいの来場者だったし、立地もそう変わらない。うまくいけばお客さんが流れてきてくれるかも……とか。美容院でも、美容師さんにお客がついていくってことがありますよね。そういう具体的な材料を出していくと金融機関は通りやすくなる。

編集K　審査に通る確率ってどれくらいなものなんでしょうか？

上野　みなさんが考えているよりけっこう少ないと思います。

カリー　世の中甘く考えている人が多い？

上野　「やればうまくいく。自信があるよ」ぐらいの勢いで、準備もせず事業計画もペラペラっていう感じだとダメです。

カリー　うむむ。

編集K　なんかその反応だと、カリーさんは準備してない感じですね。

カリー　うっ。でっ、でも今日は非常にいい刺激をいただいた感じでございます。

編集K・いくちょん （図星なんだ……）

カリー　自己資金だけで事業を拡大したいと思ってる人も、自分の事業が成功できる可能性があるのか外部から見てもらうために借りるってのもアリかなと思いました。みなさんもぜひ事業計画きっちり練ったうえで、融資を検討してみてくださいねー。

融資の審査に落ちてしまったら？

　融資制度を利用するには、しっかりと事前準備をしてからでないと、簡単には通りそうもないということは分かった。でも、融資の審査で落ちてしまった場合、どうすればいいのだろうか？あきらめたらそこで終了となってしまう？

上野「もちろん、再度申し込みは可能です。しかし、一度落ちると次も簡単ではないのが実態です。審査に落ちたときの問題点をある程度解決する必要がありますから、普通は半年くらいは間を空けることが必要です。たとえば、「自己資金がほとんどない状態」で申し込みして審査に落ちた場合、自己資金を貯めてから再度申し込みするなどのケースがあります」

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