面接担当が小学生と思って事業を説明しよう
いくちょん やっぱりみなさん気になるのは、実際にどうやって借りるのかという話だと思いますが、流れってどんな感じになるんでしょうか?
上野 どういうことをやるかっていう事業計画書を作り、それを金融機関に見てもらって、「これだったら返せますね」というゴーサインが出ると、融資が下りることになります。
カリー ん、日本政策金融公庫って政府出資といってましたが、助成金とは違うんですか?
上野 違います。融資なので、期限までに返さなければいけない。
カリー 利率って低めなんでしょうか?
上野 幅がありますけど、普通は2.5%前後で、条件が合えば1.3%で借りられる場合もあります。貸してくれる金額で見ると、制度上は3000万円とか設定されていますが、そこまで出ることはまずない。平均すると5〜600万だと思います。
カリー 何年かけて返すっていう計画も最初に出す感じですか?
上野 はい。だいたい5年で返す人が多いですね。
カリー 例えば、500万ぐらい借りたら、5年でどのぐらいの利子が?
上野 年利で2.5%だとすると、500万×2.5%だからざっくり最初の1年間で12万5000円弱くらいですね。細かくいうと、元金が減れば利息も減っていきますので、年々もっと少なくなります。
カリー 審査する人って、各分野の専門家がいるんですか? ITだと、門外漢の人に事業を説明してもなかなかわからなそうな気も……。
上野 いません。金融機関の担当者ってその業界を知らない状態で審査しなければいけないから、融資を受けたくても受けられないみたいなギャップが生まれるわけですよ。
カリー あー。じゃあ、事業として自分は自信があっても、相手を説得できなくて融資を受けられないということも。
上野 ありますね。それが商売になるってことを、金融機関の担当者が小学生ぐらいだと思って説得しないとダメっていう。
カリー 小学生! そのたとえはわかりやすいですね。上野さんも過去に3万件ほど担当されてきたと聞きましたが、「これなら貸そう」って気にさせるようなPR方法はありましたか?
上野 そこは受け答えで、だいたい頭のよさって分かるじゃないですか。金融機関で経験年数がある担当者は、失敗事例をいっぱい見ているわけですよ。
カリー 意外と「口だけ野郎」みたいなのって結構いる気もしますが。
上野 金融マンとして新人のうちはそういうのに引っかかってしまうんですけど、10年も経験すれば「何か失敗しそうなにおいがする」というのがわかるようになります。ただ、金融機関も融資はしたいので、何でもダメにするっていうのはないんですけど。
カリー うーん、においかぁ。
(次ページ、「人格、資金状況、事業計画の3点を見られる」に続く)
この連載の記事
- 第11回
ビジネス
ウソはダメよ〜! 確定申告前に覚えておきたい「レシート」の上手な扱い方 - 第10回
ビジネス
確定申告の経費はどこまで落ちる!? 税理士さんにホンネで聞いてみた - 第8回
ビジネス
お手軽さがチョー進化!「やよいの青色申告オンライン」を覆面チェック - 第7回
ビジネス
忍者増田、お得な「ふるさと納税」で特産品をゲットしたでござる - 第6回
ビジネス
人を雇えば個人事業主でも数十万もらえちゃう!? 「助成金」について考えよう - 第5回
ビジネス
個人事業主にも退職金を! 節税にも効果アリな「小規模企業共済」って何? - 第4回
ビジネス
「ふるさと納税」で地方の特産品をゲットしてみたい(後編) - 第3回
ビジネス
「ふるさと納税」で地方の特産品をゲットしてみたい(前編) - 第2回
ビジネス
うわっ……私の国保高すぎ……? 国民健康保険組合への加入を検討してみた - 第1回
ビジネス
フリーランスだけど、社長になってみたい 個人事業主or法人、どっちがおトク?