究極のデータセンターを目指す“あれ”が会場で見られる
CTC、Open Compute Projectのフルラックを国内初展示
2014年06月11日 16時30分更新
6月11日から開催されているInterop Tokyo 2014。SDI Showcase内の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)のブースでは、フェイスブックが主導して進める「Open Compute Project」認定されたフルラックを国内で初めて展示した。
究極のデータセンターの形が披露
究極のデータセンターを目指し、ハードウェアの標準化を進めるOpen Compute Project(以下、OCP)。米フェイスブックの主導でプロジェクトがスタートした2011年の設立以来、運営団体のOpen Compute Project Foundationには、数多くのユーザー企業やベンダーが参加してきた。プロジェクトでは、データセンターでのコスト削減を目的にさまざまな仕様の規格化を進めてきたが、現在ではサーバーやストレージ、ラックなどが規格化されている。
今回、INTEROPのCTCブースでは、OCPが規定したサーバー、ストレージを搭載したフルラックが披露されている。CTCはOpen Compute Project Foundationが指定するソリューションプロバイダー7社のうちの1社で、今年の1月からOCP認定製品の販売、構築、保守までを手がけている。

OCP認定のラック、サーバー、ストレージなど
展示ではOCP認定のラックに、サーバーモジュール、JBODストレージが備え付けられており、スイッチで相互接続している。サーバー、ストレージ、ラックまでは規格化されているが、ネットワークだけは規格が現状固まっておらず、ネットワーク用LinuxであるCumulus搭載のスイッチが用いられている。
OCP認定のラックは、21インチのラックを用いており、ラック内のスペースが通常の19インチラックより広い。また、レールではなく、棚置きで設置するのも特徴的。さらに高さの単位も標準よりも3mm高いOUという単位が用いられており、ラックの高さは42OUになっている。

OCP認定のラックは幅が広く、レールがない。背面にDC12V給電用のバスバーが備え付けられている
サーバーへの給電はDC12Vの直流給電で、中央のパワーサプライユニットでACからDCへの変換を行ない、背面のバーを経由して、各サーバーに給電される。直流給電により、電力の利用効率が高められる。
OCP認定サーバーはエアフローや省電力など、大規模データセンターのニーズを組み込んだ仕様で創られている。3.5インチHDDを1台搭載できる細長モジュールと、2.5インチHDD/SDDを4台搭載できる幅広のモジュールの2種類が用意。両者ともCPUやマザーボードは共通しているが、バスバーに接続される部分などが異なっているという。また、細型のモジュールは横3台、幅広のモジュールは横に2台搭載可能。ラックでのデモだけではなく、単体の静態展示も行なわれている。

OCP認定サーバーは2種類用意。3.5インチHDD搭載モジュール(左)、2.5インチHDD/SSDを4台搭載可能なモジュール(右)

細長モジュールはDC12Vのバスバーに直接挿入する形状になっている
CTCでは今回のインフラでOpenStackでIaaS基盤を構築。プールしておいたハードウェアを自動的にOpenStack管理下に追加し、IaaSのリソースをダイナミックにスケールアウトできるというデモになっている。

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