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Interop Tokyo 2014レポート 第12回

UWB測位から自動アドレス配布スイッチまで

NICTブースは今年も尖った技術の玉手箱だった

2014年06月16日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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Interopの展示会場では毎度のようにエッジの効いた技術を展示してくれるNICT(独立行政法人 情報通信研究機構)。今年のInteropもUWBを使った高精度な測位システムやネットワークアドレスの自動配布技術を搭載したスイッチなどが披露された。

30cm単位での誤差でおさまるUWB測位システム

 UWB測位システムは、GPSを利用できない屋内でも高い精度で測定とナビを可能にするという技術。従来、こうした屋内用の測位技術としては、無線LANが一般的に用いられるが、無線LANの場合、電波の強度を元に測定するため、数メートルの誤差が発生する。これに対して、今回展示されたIR-UWBを用いる方法では、フィードバック時間で位置を測定するため、精度が高いのが売りだ。30cm程度の高い精度で位置を推定できるため、店舗内でクーポンを配布するとか、倉庫内で動線を可視化するといった用途に役立つという。

 デモはスマートフォンとUWBの移動機を用いて地図上にリアルタイムで位置を示すというもの。実際、かなり高い精度で位置を特定しており、十分に実用的という感想を持った。実際、すでに倉庫や商業設備で導入されているとのこと。IR-UWBでは回路がシンプルで、LSI化することで、コストも安価にできるという。

ナビゲーションのデモ端末

会場に設置された3つの固定機で三点測定する

「HANA」に対応するネットワーク技術をスイッチに

 独自のアドレス自動配布技術により、ネットワークの自動構築を実現する「HANA(Hierarchical Automatic Number Allocation)」を搭載したスイッチも披露された。ネットワーク内の1台のスイッチに位置情報を設定するだけで、他の対応スイッチに自動的にアドレスが設定され、管理者の作業時間を短縮したり、人為的なミスを大きく減らすことが可能になるという。

独自のアドレス配布技術「HANA」を実装した48ポートスイッチ

 アドレスの自動配布というとDHCPが思い出されるが、HANAは端末ではなく、より上位のミッドレンジスイッチなどに対して配布するのを前提とする。また、1つの機器に複数のアドレス情報を渡せるため、迂回経路を確保したり、あらかじめプレフィックスを割り当てることで、リナンバリングを容易にできるという。今後はアドレス配布の機能がないSDNとの連携を追加し、初期設定や展開にかかる時間を短縮していくとのこと。

 NICTでは、その他シート媒体通信やサイバー攻撃統合分析プラットフォームなどの展示も行なわれており、多くのユーザーが訪れていた。

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