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Interop Tokyo 2014レポート 第4回

高密度スイッチやOpenStack用のSDNアプリケーションも投入

No SDN,No Cloud!SDNに本気なHPのネットワーク戦略

2014年06月12日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月11日、日本ヒューレット・パッカード(HP)は、INTEROP Tokyo 2014の会場近くでSDN(Software-Defined Networking)戦略に関する説明会を開催した。米HPでSDNを担当するサルワル・ラザ氏は、「No SDN,No Cloud」とSDNの重要性をアピールし、HPの注力ぶりをアピールした。

SDNがなければクラウドでの成功は実現できない

 説明会においてラザ氏は、クラウド、ビッグデータ、ソーシャル、モバイルの4大トレンドを念頭に、新しいスタイルのITが必要と主張。エンタープライズ向けのソリューションでは、ネットワークがすべての基盤だが、複雑でアジリティの低いレガシーネットワークはコストが高く、クラウドの有効活用を阻害していると指摘。こうしたネットワークの限界を打ち破るのがSDN。ラザ氏は、競争力の強化を可能にするシンプルさ、高い俊敏性、TCOの削減を実現するSDNを活用することで、クラウドでの成功が実現できるという。「いわばNo SDN,No Cloud(SDNがなければ、クラウドは実現できない)だ」(ラザ氏)と言い切る。

米HP エンタープライズグループ HPネットワーキング クラウドネットワーキング&SDNディレクター サルワル・ラザ氏

 こうした中、HPはSDNに深くコミットしている。HPはもとよりONF(Open Networking Foundation)やOpenFlowのメンバーとなっているほか、NFVの標準化を進めるETSI、OpenStackでもリーダー的な立場になっている。また、先日はオープンソースのSDNコントローラーであるOpenDayLightについても、プラチナメンバーになったと説明した。

 HP自身としては、OpenStackを基盤に据えたクラウド戦略「HP Helion」を中心に、OpenFlowにも対応するSDNコントローラー「HP Virtual Application Networks SDNコントローラー(HP VAN SDNコントローラー)」を展開している。今回は、新たにSDNに対応するモジュラー型スイッチとして「HP FlexFabric 7900スイッチ」を発表した。40GbEを48ポートを搭載できる高密度なスイッチで「耐障害性が高く、競合に比べてもフットプリントは半分で済む」(ラザ氏)という。

HP Helionと新製品のHP Virtual Cloud Networking SDNアプリケーション、HP FlexFabric 7900スイッチ

物理と仮想環境を統合的に管理できる

 ラザ氏は、オーバーレイをベースにしたVMware NSXにはいくつか課題があると指摘する。「オーバーレイのアプローチは、アンダーレイの可視性を持っていないので、仮想と物理でオーケストレーションを行なう必要がある。全体の統合レベルが下がってしまう」と語る。

 これに対して、HP VAN SDNコントローラーは、VMware NSXをAPIレベルで連携することが可能になっている。これにより、オーバーレイを物理サーバーに拡張し、仮想と物理のSDN環境を統合できるという。「SDNアプリケーションをオーバーレイにも、アンダーレイにも対応させることが可能だ。しかも、OpenStackやOpenFlowや業界標準のプロトコルをベースにしている」と語る。

HP Helionと新製品のHP Virtual Cloud Networking SDNアプリケーション、HP FlexFabric 7900スイッチ

 また、新たに発表された「HP Virtual Cloud Networking(VCN)SDNアプリケーション」は、OpenStackのネットワークコンポーネントであるNeutron(旧Quantum)とAPI連携し、プロビジョニングを自動化するSDNアプリケーション。OpenStackのエンタープライズで利用できるように拡張を施し、ハードウェアに依存しないクラウドへの俊敏性を提供するという。

 HP Virtual Cloud Networking SDNアプリケーションでは、隔離したセキュアなネットワークを数分で用意できるほか、物理と仮想のネットワークを統合管理することが可能。他社のオーケストレーションツールとのアクセスも提供しており、オープンなネットワーク過疎化を実現するという。ラザ氏は「Cisco ACIの場合、ネットワークの仮想化のために大型ハードウェアのアップデートが必要だが、われわれのソリューションは専用のハードウェアは不要だ」と他社との差別化をアピールする。

 ラザ氏は、「HPは業界でもっとも包括的なSDNソリューションを展開できる。OpenFlow対応のポートも3000万ポートを超えている」とHPのSDNの注力ぶりをアピールした。

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