Appleの開発者会議「WWDC」(Worldwide Developers Conference)での注目は、やはり次のモバイルOS最新版である「iOS 8」だと思われる。一方で、2時間の基調講演のうち「OS X Yosemite」「開発者向け施策」にも等しく時間を割いており、「Macを使う開発者向けイベント」だということを改めて強調した。
「OS X Yosemite」はどう変わったのか
OS X Mavericksに続く“カリフォルニア地名シリーズ”のOS X第2弾となる「Yosemite」では、従来バージョンに比べてどこが変化したのだろうか。
簡単に挙げれば「よりiOSに近いルック&フィールになった」「iCloud連携がさらに強化された」「Continuityに代表されるiOSデバイスとの連携強化」の3つに集約される。
OS Xは、長きにわたってウィンドウ枠を含む基本的なUIコンポーネントが初期のころからそのまま流用され続け、全体的なルック&フィールもOS X Leopard(10.5)で導入された新機能以降、大きく変化していない。
これに対してiOSでは、バージョン7の時点で「フラットデザイン」と呼ばれる新アイコンやUIコンポーネントへの入れ替えが一気に進み、それにともなってUI全体がリフレッシュされた。
OS X Mavericks時点ではiOS 7での変更がフィードバックされることはなかったが、OS X Yosemiteではアプリケーションのアイコンが「フラットデザイン」的なシンプルなものへと差し替えられ、ウィンドウ左上のボタンも3D風のものからフラットなデザインへと変更されている。またウィンドウ枠は「トランスルーセント」な透明デザインとなり、背景やスクロールされたコンテンツの一部の概要がわかるようになっている。
「Notification Center」も新しくなり、表示項目をウィジェットギャラリーから追加して増やすことができる。ニュースフィードを表示するもよしで、この辺りはiOS 8の新Notification Centerと同じだとみられる。
また、Spotlightでは初めてUIに大きく手が加えられた。従来画面右上の虫眼鏡アイコンの部分に入力項目や一覧がずらりと表示されていたが、OS X YosemiteではSpotlightの入力フィールドが画面中央に出現し、実際に検索すると結果表示がウィンドウ形式で画面中央に出現し、視認しやすくなっている。
Spotlightで検索可能な項目数も増えており、ニュースやBingによるWeb検索など、Safariをいちいち呼び出さずともSpotlightから当該サイトへとアクセスして結果を引き出せる。
