アップルは、iOSデバイス用新OS「iOS 8」、開発者向けキット「iOS 8 SDK」を発表した。正式版のリリースは今秋予定。対応デバイスは、iPhone 4s以降、iPad 2以降、iPod touch(第5世代)。開発者向けのベータ版およびSDKは本日より配布する。
iOS 8は、アプリ同士の連携機能、写真/動画管理を行なえる「iCloud Photo Library」、フィットネス関連アプリ「Health」などを搭載したほか、メッセージングアプリ「Messages」を機能強化した。オンラインストレージ「iCloud Drive」、予測入力機能「QuickType keyboard」も利用可能となった。家族間で写真/動画/カレンダー情報などを共有できる「Family Sharing」も登場した。
アプリ同士の連携機能では、例えば、画像管理アプリで画像を表示している時に、ほかの画像編集アプリを呼び出し、元の画像管理アプリを閉じたり画像編集アプリに切り替えたりせずに、編集機能やフィルター機能だけを利用するといったことが可能。
写真/動画管理機能「iCloud Photo Library」は、オンラインストレージ「iCloud Drive」を利用し、ユーザーが所有するiOSデバイス間での同期が可能。画像/動画の管理、検索、加工なども即座に行なえる。
フィットネス関連アプリ「Health」では、サードパーティによる各種健康関連デバイス、アプリで得られた情報を統合して扱える。また、サードパーティアプリに情報を受け渡すこともできる。
メッセージングアプリ「Messages」では、グループチャットに加えて、スレッドに名前を付けることが可能。一時的にメッセージを受け取らないようにできるほか、やり取りした画像/動画が整理されて表示され、閲覧しやすくなっている。メッセージとして音声やビデオを手軽に追加できる点も特徴だ。
「Family Sharing」は、最大6人までの家族で、写真/動画/カレンダー情報、iTunes/iBooks/App Storeで購入したデータなどを共有できるというもの。また、子供がアプリなどを買おうとした場合に、保護者に対してその許可/拒否を尋ねるメッセージを表示する機能もサポートしている。
このほか、通知センター上で直接メールやメッセージに返信できる機能もサポートした。
「iOS 8 SDK」が大幅強化、新言語「Swift」も登場
「iOS 8 SDK」は、4000以上の新APIを搭載し、指紋認証の「Touch ID」APなどをサードパーティーに公開。通知センター用のウィジェット、サードパーティー製のソフトウェアキーボード(IME)を作成できるようになった。健康/フィットネス関連の「HealthKit」、家庭用デバイスを制御できる「HomeKit」も用意された。HomeKit対応の室内灯などがあれば、音声ナビゲーション「Siri」を介して点灯/消灯したりできるようになる。
さらに「A7」CPUが前提のゲーム用描画技術「Metal」、2Dゲーム用API群「SpriteKit」、3Dゲーム用「SceneKit」も追加された。Cocoa/Cocoa Touch向けにデザインされた、iOS/OS Xアプリ開発用新言語「Swift」も発表された。