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Apple Geeks 第146回

アップルの新言語「Swift」がすべてを変える

2014年06月06日 18時30分更新

文● 海上忍(@u_shinobu

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

本来の姿に戻ったWWDC

 基調講演の内容に関して言うかぎり、今年のWWDCのターゲットは完全に「開発者」だった。本来開発者を対象としたイベントであり、当然といえば当然だが、ここしばらくWWDCの基調講演が新製品発表の場として利用されてきたことは事実。しかもMacworld Expoなど他社主催のイベントへの参加を取りやめてからというもの、その傾向は一層強まっている。ハードウェアの発表が皆無だった今回の基調講演に不満を覚える向きが多いとしても、仕方ないことだろう。

 しかし、多少なりともアプリ開発の経験があれば、今年の基調講演には大きなインパクトを感じたはずだ。「iOS 8」が秋にリリースされること、そこには約4000のAPIが追加されること。アプリ間におけるデータの受け渡しを強化する「Extensibility」、MetalやSprite Kitといったフレームワークは注目度が高いが、それでも4000のうちの一部に過ぎない。

基調講演ではiOS 8の「Extensibility」など重要な新機能も発表されたが、新言語「Swift」のインパクトはそれを上回った

 なかでも注目されるのは、終盤に発表された新開発言語「Swift」だろう。その実力(生成されたアプリの効率性)は未検証ながら、JavaScriptやRubyを連想させる簡潔な文法、Xcodeとともに利用することでBASICのようにライブコーディングできる生産性の高さ、それでいてバックエンドのコンパイラは実績あるLLVM、しかも現在メインの開発言語Objective-Cと並立可能……と、アプリ開発経験者であれば刮目する特性を備える。本稿では、Swiftの登場がどのような意味を持つか、今後のOS X/iOSアプリ開発にどのような影響を与えるかについて考えてみたい。

基調講演の終盤で新開発言語「Swift」が発表された

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