高まる「iCloud」の重要性
OS X Yosemiteではこれまで以上にiCloudの統合が進み、より使いやすくなっている一方で、その依存度が高まっているともいえる。例えば、「iCloud Drive」はiCloud上の格納領域をオンラインストレージとして使える仕組みを提供しており、Finderから直接iCloud上のファイルやフォルダを参照し、ローカルファイル同様に扱える。
以前まではApple謹製アプリケーションなど、iCloudにアクセスする機能を持ったアプリケーションを通じて中のファイルを操作していたわけで、より気軽に使えるオンラインストレージとしての機能を持ったといえる。
iCloudの活用法として面白いのが「Mail Drop」だ。「大きいファイルはメールに添付せず、別のストレージ領域にアップロードしてから先方にダウンロード方法を伝える」といった形で大容量ファイルの添付はマナー違反的な側面があり、最近でこそ10MBクラスのPDFファイルを添付してくることも見かけるが、実際に気を付けている人も多いだろう。
電子メールを送受信するサーバではこのような大容量(ファイルの添付された)メールの中継を拒否するケースがいまだあり、苦労させられているユーザーも多いはず。
Mail.appを使ってファイル貼付のあるメールを送信する場合、このMail Drop機能によって添付ファイルはいったんiCloud上にアップロードされ、受信者がメールを開いたタイミングでiCloudから当該ファイルをダウンロードしてくる形に迂回中継が行なわれる。
添付ファイルの容量制限で送信中継が拒否されるメールサーバが存在するが、Mail Dropの機能を使うと画像などの重いファイルはいったんiCloud上にアップロードされる。先方がメールを受信したタイミングでiCloudからダウンロードする形でメールサーバ中継を迂回するため、こうした容量制限を気にすることなしに大容量ファイルをメールに気軽に貼付して送信できる
ユーザーは添付ファイルの容量を気にすることなく、(おそらくは)受信者のOSやメーラ環境を選ばずに利用できる仕組みとなっている。Markupというメールの添付画像に記号や矢印、コメント等を残せる機能も用意され、メールの使い勝手が向上している。
