シャープの4Kテレビは
自社開発の液晶パネルでTHK認証を取得!
最後に、そのほかのテレビメーカーのモデルを紹介しよう。残念ながら実機の検証はできなかったが、いずれも自らの強みを活かした製品作りで、実力の高い4Kテレビを投入している。
いちはやく4K試験放送に対応したAQUOS 4Kレコーダー「TU-UD1000」を発売したシャープは、話題性ではNo.1と言える。最新ラインナップの4Kテレビは、6月25日以降に発売される「AQUOS UD20」シリーズ(70V/60V/52V型)で、HEVCデコーダーを内蔵し、今秋スタート予定の4Kビデオオンデマンドサービスの視聴が可能なことが大きな特徴。52V型の予想実売価格は43万円前後だ。
液晶パネルメーカーでもあるシャープは、自社開発の液晶パネルを持つことが最大の強み。LEDバックライトは一般的なサイドエッジ型だが、白の均一性など高い性能を実現し、「THX 4Kディスプレイ規格」の認証も取得している。
これに加え、外光の映り込みを低減しながら、光沢パネルのような艶やかな映像を再現できる「4Kモスアイパネル」を採用。外光の入るような明るい部屋でも快適に高精細な映像を楽しめる。
また、バックライトに使用するLEDには新たな発光材料を採用したものを使い、高精度な信号処理と合わせて、デジタルシネマ規格の色域に迫る広色域を実現した「リッチカラーテクノロジー」を搭載。映像エンジンもアップコンバート画質を向上を果たした新世代の「AQUOS 4K-Master Engine PRO」を搭載した。
このほか、内蔵スピーカーは、別体型のサウンドバーとしているのもユニークなアプローチだ。十分な容量を持ったスピーカーキャビネットを独立させることで、さらなる音質向上を追求している。スタンド部分に接続して組み立てる構造なので、別体型ながら見た目もすっきりとまとまっている。
プラズマの技術を継承
広色域技術で勝負のパナソニック 4Kテレビ
惜しくも今年4月にプラズマテレビから撤退してしまったパナソニック。もちろん、今春のラインナップは液晶のみの展開となる。
4Kテレビは「AX800」シリーズ(65V/58V/50V型)と「AX800F」(58V/50V)の2モデルだが、両者はデザインとサイズラインナップが異なるだけの兄弟モデルで、画質の実力や主な機能などは共通だ。AX800Fの50V型の実売価格は31万円前後となっている。
スタンダードなデザインのAX800Fか、モダンなデザインのAX800かは好みやインテリアに合うかどうかで決めるといいだろう。
高画質面では、新開発の「ヘキサクロマドライブ」を搭載。これまで開発していたプラズマテレビの技術を活かし、豊かな色再現性を実現する。
プラズマテレビで採用していた「カラーリマスター」技術を継承し、さらにRGBに加えて中間色であるCMYも加えた6つの座標軸でカラーマネージメントを行なう「6軸色座標補正」を採用。特に暗いシーンで起こりやすい色の変化を抑え、暗色でも豊かな色を再現できるという。
さらには、暗い部分の映像の階調表現を改善するため、プラズマテレビの駆動技術を応用して液晶テレビに最適化した「暗部階調制御技術」を採用。LEDバックライトのエリアコントロールなどと合わせ、液晶テレビが苦手としていた深い黒の再現や暗部の再現を向上している。このほか、本機もTHX 4Kディスプレイ規格の認証を取得している。
このほかの特徴としては、ユーザー別によく使う機能をカスタマイズできる「マイホーム」機能が進化。内蔵カメラによる顔認識と人感センサーにより、カメラに前に立った人物を判別し、その人が設定したマイホーム画面に自動で切り替えたり、電源オフ時でも自分が登録した天気予報などの情報を自動で表示する機能を備える。多彩なインターネットサービスへの対応などに加え、多彩な機能の利用がさらに進化している。
(次ページに続く、「日本メーカーに負けていないLGの4Kテレビ」)
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