ソニー「BRAVIA」に直下型LEDバックライト復活!!
自然でバランスの良い画質を追求した「KD-65X9600B」
ソニーの4Kテレビは、直下型LEDバックライト搭載の最上位モデル「X9500B」シリーズ(85V/65V型)を頂点に、両サイドに大型スピーカーを搭載した「X9200B」シリーズ(65V/55V型)、細いベゼルのスリムデザインのスタンダードモデルの「X8500B」シリーズ(70V/65V/55V/49V型)の3つのラインナップを投入してきた。
ユーザー層の広がりに対応した戦略で、さらなるシェア拡大を目指しているのがよくわかる。
ここでは、最上位機種の65V型モデル「KD-65X9500B」(実売価格86万円前後)を使い、画質面での最新技術やその他の新機能を紹介していこう。
昨年モデルから引き続いて搭載された広色域技術「トリルミナスディスプレイ」は、バックライトに使用する光源となるLEDの色純度を高めるもので、一般的な白色LEDバックライトが苦手とする赤、そして緑の色純度を高め、広い色域の再現を可能にする。
トリルミナスディスプレイは、液晶テレビだけでなく、スマートフォンなどでも同様の技術が採用されるなど、映像機器で幅広く対応モデルが登場している。そして、映像を撮影するデジタル一眼カメラやビデオカメラなどでは、広色域で映像を記録する「トリルミナスカラー」という技術も採用されている。同社製品の組み合わせのみとなるが、撮影側と表示側が連携してリアルな映像を追求するというわけだ。
映像の輝きを高める「X-tended Dynamic Range PRO」は、LEDバックライトをエリアごとに分割して点滅させる動きに加え、まぶしい輝きなど明るい部分をより高い輝度で点灯させるもの。
逆に、暗い部分は輝度を下げて消費電力を抑えているが、X-tended Dynamic Range PROの賢いところは、その抑えた電力を明るい部分を照らすLEDに集中する。つまり、全体的な消費電力を抑えながらも明暗の幅の広い再現が可能という、省エネにもしっかりと配慮したシステムになっているのだ。
本機は最上位モデルということで直下型LEDを採用し、LEDの部分駆動にも対応。ソニーは以前から直下型LED採用のモデルを投入していたが、残念ながら昨年モデルでは直下型LEDの採用は見送られていた。最上位モデルのみとはいえ、今年モデルで復活したことは高画質派にはうれしいポイントだ。
直下型LEDは、液晶パネルの下に全体的にLEDを配置し、エリアごとにLEDの点灯を制御する。エリアの分割数を増やすことができ、前述のX-tended Dynamic Range PROの効果がより高まるし、逆に暗い部分の光漏れによるコントラスト低下を防ぐ能力でも優れる。
では、その画質をチェックしてみよう。視聴ソースでは前回と同じく、4Kビデオカメラで撮影した映像(4K/30p)で確認している。
ビル街を眺めた映像を見てみると、その映像は実に自然だ。精細感は極めて高く、やや曇り気味の天候だったこともあり、暗部にはややノイズが散見されるが、それらもしっかりと映し出す実力がある。
それでいて、いかにも高精細という気負った部分が感じられず、実に落ち着いた再現になっている。最初のうちこそ、あまりにもスムーズで自然な映像のために凄さを感じにくいのだが、しばらく見ていくと、肉眼視に近い見え方でテレビを見ている気がしない。このまとまりのよさが一番の持ち味だろう。
また、色とりどりの花を映した映像でも、原色の赤に近い色から、黄色などの中間色などさまざまな色を花びらの微妙な色の変化まで映し出しながら、広色域をうたったテレビにありがちなオーバーな印象にはならない。見た目の印象に近い自然でリアルな色が再現されていた。
(次ページに続く、「一新されたGUI! 操作はタッチパッドで直感的にできる」)
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