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日本上陸(?)のスマホも続々発表! MWC 2014レポ第29回

新モバイルOS&スマホ「Jolla」はUIとビジネスモデルで差別化

2014年04月06日 16時00分更新

文● 末岡洋子

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 “元Nokia”という紹介はもう不要かもしれない。フィンランドのベンチャー企業であるJollaは、2013年末に初のスマートフォン「Jolla」を発売し、ソフトウェア、ハードウェア、そしてビジネスの面で、これまでとは違うモバイル端末の実現に向けて大きな一歩を踏み出した。ユニークなコンセプトは市場に受け入れられるのか? MWCの会場で、共同創業者兼CTOのStefano Mosconi氏にJollaの戦略について話を聞いたインタビューをお届けする。

Jollaでは背面カバーを交換すると、そのカバーに合わせてソフトウェアの動作を変更する仕組みが搭載されている

Androidでないこと、でもAndroidのアプリも動く
Jolla/Sailfish OSの差別化ポイント

――2013年末に最初のスマートフォンが無事に登場しました。今後フォーカスする点は?

Mosconi氏(以下同) もともとの予定は2013年中だったが、11月に発売できたのでとても満足している。フィンランドではキャリアであるDNAから発売されており、欧州向けにも我々のウェブサイトから直販している。

Jolla CTOのStefano Mosconi氏。Nokia時代はLinuxプラットフォームの開発にあたっていた

 現在欧州内でオペレーターと小売り両方のチャネル強化を模索しているところだ。同時に、ロシア、インド、香港に拡大する計画で、これらの市場でのディスカッションも進めている。詳細は明かせないが、間もなく何らかの成果を発表できるはずだ。

 Sailfish OS(Jollaが開発しているモバイルOS)についても改善を進めてきた。毎月アップデートを行っているが、3月のアップデートで正式版とする。OS側の完成度をオペレーターも評価しており、今年に入り話し合いのペースが加速している。

――DNAはフィンランドで第3位のオペレーターです。発売から3ヵ月経過して、学んだことは?

 No.1かNo.3かは我々には重要ではない。Jollaはまだ規模が小さく、まだたくさんの台数を製造できない。数百万台のようなレベルに拡張することは現時点では難しい。まずは継続していくため、生き残りのための台数を販売したいと思っており、その点では満足している。

 数百万台レベルの販売台数は、既存のOEMがSailfish OSを搭載したスマートフォンを作成したときに到達するというのが、我々の戦略だ。

――そのOEMがAndroidなど数あるOSの中からJollaを選ぶ理由は? Jolla以外からSailfish OSスマートフォンが登場するのはいつ頃になりそうですか?

 Jollaの実機が登場してから、関心が高まっている。まだ正式には話ができないが、私の期待としては2014年内、2015年初めに実現できればいいなと思っている。

MWCでのJollaブース。来場者による注目度も高いようだった

 Sailfish OSはオープンなプラットフォームだ。カスタマイズ性が高く、この上に自社のサービスを乗せることもできる。

 Jollaの差別化はUIだ。Androidではないという点も差別化で、Androidのアプリが動くというのも差別化、Androidが動くハードウェアでSailfish OSが動くというのも差別化だ。これらはFirefox OSなどと比べても強みになる。成功を決めるのは、どれか一つの要素ではなく、組み合わせだとこれまでの経験から思っている。

ボタンが無く、上下左右のフリックで操作するUI

――AndroidやiPhoneのようなUIを踏襲しなかった理由は? Jollaは決して簡単に使いこなせる端末ではなく、ハイテク通ではないユーザーには親しみやすい端末とはいえないように見える。

 UIや使いやすさは重要な差別化ポイント。Jollaで新しいものを作りたかった。

 もちろん、ユーザーは新しいものやこれまでとは違うものにすんなり入り込めないかもしれない。学習が必要だ。2時間で学習できる人もいれば、2日の人もいるだろう。Jollaはこの学習曲線を少しでも短くしていく。自転車と同じ。どうやって自転車に乗れるようになったのかは明確に覚えていないが、一度乗れるようになれば忘れない。

 これはマーケティングによる力も大きい。たとえば、Android端末のボタン。このボタンを押すとホーム画面に戻るとユーザーは学んで使っているが、このことはこれまでフィーチャーフォンを使ってきたユーザーに、巨大なマーケティングを投じてユーザーに学習させたのだ。Androidのシェアが約80%に達したのでこれが標準になっているだけのことだ。

前面にボタンが無いのはJollaの大きな特長だ

 Jollaにはボタンはない。我々はボタンより直感的で、ベターな方法があると思っており、ボタンの代わりに上下左右のジェスチャーを導入した。ボタンがないので画面を最大限に使うこともできる。だが学習が必要だ。そのためにも、マーケティングを展開できるパートナーを探している。デバイスがいくらすばらしいものであっても、それだけでは売れない。マーケティングは重要だ。

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