NVIDIAはMWCに合わせ、LTEモデム統合型のSoC「Tegra 4i」を搭載するスマートフォン「WAX」が、フランスのWiko Mobileから4月以降に発売されると発表した。同時にTegra 4とLTEモデム「i500」を搭載する7型タブレット「Tegra Note 7 LTE」も公開している。

TE統合型SoC「Tegra 4i」を採用するWiko Mobile製スマートフォン「WAX」。ミドルレンジクラスのスマートフォンとしては処理能力に優れ、3Dゲームも快適にプレイできる
昨年のMWCでの紹介から1年経って
ようやく登場した「Tegra 4i」搭載スマホ
Tegra 4iは、NVIDIAが開発したLTEモデム「i500」を統合したSoCだ。Tegra 4シリーズではあるが、2013年のMWCの時点ですでに紹介しているように(関連記事)、Tegra 4とTegra 4iとではLTEモデムの統合有無に加えて、搭載CPUコアやGPUの仕様に違いがあるのだ。
Tegra 4はフラッグシップスマートフォンやタブレットをターゲットとしているのに対し、Tegra 4iはより低価格なミドルレンジクラスの製品をターゲットとする。Tegra 4i自体は2013年2月に発表されたものだが、それから約1年が経過してようやく搭載スマートフォンが登場することとなった。
発表されたTegra 4i搭載スマートフォンは、フランスWiko Mobileの「WAX」だ。4.7型HD液晶(1280×720ドット)を搭載する、ミドルレンジクラスの製品。Tegra 4iの動作クロックは1.7GHz。RAMは1GB、ストレージは4GB搭載し、microSDは32GBまで対応する。カメラは、リアが800万画素、フロントが500万画素となっており、スペックからもミドルレンジをターゲットとする製品であることがよくわかるだろう。
WAXは、液晶側面が狭額縁で、4.7型液晶搭載でもかなりコンパクトとなっている。また、重量はかなり軽く、片手で持って軽快に利用できそうという印象。動作も十分に軽快だ。欧州で4月に発売を予定している。
Tegra Note 7もLTEに対応版がリリース
北米では299ドルでNexus 7のLTE版より安価
次に7型タブレットの「Tegra Note 7」。Wi-Fi版はすでにアメリカや日本などで発売されているが(関連記事)、MWCではLTEに対応した「Tegra Note 7 LTE」が新たに発表された。
Tegra Note 7 LTEは、Tegra 4にNVIDIA製LTEモデム「i500」を組み合わせて搭載することにより、LTE対応を実現している。対応するLTEの周波数帯域は、北米モデルがバンド2/4/5/17/7(1.9GHz/AWS/850MHz/700MHz/2.6GHz)、欧州モデルがバンド3/7/20(1.8GHz/2.6GHz/800MHz)となる。3Gは北米、欧州モデルともHSPA+のバンド1/2/5/8(2.1GHz/1.9GHz/850MHz/900MHz)をサポートする。
そのほかの仕様はWi-Fi版とほぼ同等で、1280×800ドットの7型IPS液晶や、付属のスタイラスペンでデジタイザーに近い書き心地や筆圧検知を実現する「DirectStylus」技術の搭載などは変わっていない。ただ、背面のデザインが、ほぼフラットで模様のほとんどないデザインに変わっている。
Tegra Note 7 LTEは北米および欧州で2014年第2四半期に発売され、北米での価格は299ドルとなる予定。ただし、日本での発売は未定となっている。

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