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日本上陸(?)のスマホも続々発表! MWC 2014レポ 第27回

LGは世界でシェアを取る グローバルブランド戦略を聞いた

2014年03月14日 15時00分更新

文● 末岡洋子

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 2月に開催された「Mobile World Congress 2014」では、スマートフォンの注目がローエンドに移り、次のフェイズに移りつつあることを感じさせた。新しいフェイズでは、コモディティー化したスマートフォン市場でどのような差別化を図っていくのかがベンダーの運命を分けることになりそうだ。

 現在世界シェア4.8%で4位のLGは、どのような戦略で上位ベンダーとして生き残るのか、同社グローバルコミュニケーションディレクターのKenneth Hong氏に話を聞いた。

MWCの直前に発表された「G Pro 2」

ハイエンドからローエンドまで統一したUIで
一目でLGとわかる端末を投入していく

――2014年のLGにとってのMWCのテーマは?

 2013年は消費者に喜んでもらえる端末を投入することができ、成功の年だったといえる。具体的には「G2」「G Pro」「Nexus 5」「G Flex」「G Flex」などだ。このうち、(湾曲スマホの)G Flexはニッチを狙ったもので、マス向けではない。

LGのグローバルコミュニケーションディレクター Kenneth Hong氏

 ディスプレー技術でLGが何ができるのかを示すことを目的とした実験的な製品である。LGはイノベーションを起こすことができる企業、新しいことをやろうとしている企業だということを理解してもらえた。このように2013年はモバイル業界においてLGが信頼を確立した年といえる。

 2014年は、グローバルブランドとして市場のシェアを積極的にとっていく。MWC直前に「G Pro 2」「G2 mini」などを発表した。たとえばG Pro 2はG2に似たデザインでバックカバーを持ち、LGの製品とすぐにわかってもらえるはず。プレミアムのGシリーズだけでなく、エントリーレベルのLシリーズ、ミッドレンジのFシリーズでも同じで製品に一貫性をもたせる。ハードウェア側だけでなく、ユーザーインターフェースでもこれを行なっていく。これにより、ユーザーが一目でLGとわかる端末、手に取って使ってみてやっぱりLGだとわかる端末を投入していく。

「G Pro 2」は5.9型のファブレットということで、手にするとしっかりと大きい

こちらは4.7型の「G2 mini」。背面キーなどの特長は上位モデルと共通

――それを実現するにあたってソフトウェア側の取り組みを教えてください

 Androidはカスタマイズ性が高いので、これを利用してLGのユーザー体験を提供する。ホームスクリーン、通知などすべての機種で一貫性を持たせ、「Q View」「Q Slide」「Knock On」などのLG端末ならではの体験をすべての機種で利用できるようにしていく。一方で、これはユーザーに強制するものではないので、ユーザーは自由に変更できる。コンシューマーは自分が好きなインターフェースを利用すべきだと考えている。

 今回は新しい機能として、「Knock Code」をG Pro 2で導入した。このKnock Codeは画面上でユーザーが事前に設定した場所を2~8回タッチすることでロック解除できるもので、最大8万の組み合わせが可能だ。今後これをLシリーズ、Fシリーズでも利用できるようにする。

 また、G2で導入したアクセサリーの「Quick Cover」は小型のL40をのぞき、すべての端末に広げていく。同じくG2で導入したセキュリティー機能の「Guest Mode」、任意のアプリケーションから複数コピーが可能な「Clip Tray」、ヘッドフォンをジャックに差し込むと音楽再生などメニューが表示される「Plug & Pop」も、今後ほかの端末で利用できるようにする。

日本でもオプションで用意されている「Quick Cover」は基本全機種に用意する

自国市場で数を稼げる中国メーカーと違い
LGはグローバルで戦っていく

――GoogleがMotorolaをLenovoに売却することを発表しています。勢いを増す中国ベンダーとの競合をどう見ていますか?

 もちろん無視できない。だが、我々は中国ベンダーだけを見ているのではない。その理由は、中国ベンダーとLGとでは状況が非常に異なるからだ。中国ベンダーは自国の市場にフォーカスして、No.33になれる。だが、我々のような韓国企業はグローバルで展開しなければやっていけない

 我々はグローバルブランドを築いている。確かに出荷台数だけを見るとLGより大きいところがあるだろう。だがグローバルとなるとわからない。LGはグローバルブランドだ。

 グローバルブランドであることは、ブースを見てもらえればわかる。エントリーレベル、ミッドレンジ、プレミアムのすべての分野で合計8~9機種を展示している。今後もさまざまなニーズを満たすグローバルな製品を提供する。

――スマートフォン市場の変化が激しく、ハイエンドはある程度完成してしまった感がある。ハイエンドでどうやってユーザーをエキサイトさせる?

 イノベーションが必要。それも、戦略的なイノベーションだ。

 コンシューマーをエキサイトさせるためには、将来を見せることだ。先に述べたように、G Flexはマス市場向けではない。だが、将来のスマートフォンがどうなるのかのイマジネーションをかき立てる端末になった。G Flexは画面がカーブしているだけだが、将来は巻いたり、折りたたむことができるかもしれない、そんな未来をコンシューマーに予感させることができたと思う。

“実験的製品”という位置づけで、日本でも発売されている「G Flex」は大々的に展示されていた

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