「CeBIT 2014」の会場の一角では、スタートアップ企業がミニブースを構える「CODE_n 14」が開催されていた。世界各地から予選を勝ち抜いた50の企業やスポンサー枠、それに過去の「CODE_n」の卒業生など60以上のスタートアップが集結した。
英ロンドンを拠点にするSOMA Analytics社は、労働者のストレスを軽減する21日間のプログラムを開発。ポイントは測定のためにはスマートフォンが1台あればOKということ。主に睡眠のトラッキングと話し方でストレスレベルを測定し、参加者のそれぞれに適切なアドバイスを提供する。
ドイツのgraphmasters社は、従来とは異なった発想によるナビゲーションシステムを開発。現在のナビは同じ状況であれば同じルートを提案するため、同じところにトラフィックが集中してしまう。一方、同社の「NUNAV」技術は数分後、数十分後の交通状況を予測した上で、それぞれの車両ごとに最適なルートを提案。交通渋滞を緩和できるだけでなく、シミュレーションの結果では従来のナビよりも約2倍早く目的地に到達できたという。
室内のナビゲーションシステムを展示していたのは、ドイツのLOCOSLAB社だ。施設に小型の測定器を設置し、利用者が持っているスマホのWi-FiとBluetooth機能から現在位置を割り出す。あらかじめ作成しておいたマップやテナント情報などを組み合わせて、提示する。誤差は3~5m程度だという。
ビッグデータの解析ツール「Synerscope Marcato」は、オランダのInnovation Lab社の製品。データサイエンティストが高度な知識でデータを分析するのではなく、一般のビジネスマンが巨大なデータから「何か」を見つけ出すために、データを構造化しつつ視覚的に標示してくれる。
数少ないハードウェアを展示していたドイツのCosinuss社。運動を妨げないイヤホン型の心拍計を開発し、主にプロアスリートのトレーニングに役立てたいとう。ただし、同社はハードウェアの会社であり、このデバイスを活用したソフトウェアパートナーを探しているという。
ほかにもビッグデータ解析やスマートグリッドなどの展示も目立ったが、この「CODE_n」に日本のスタートアップが参加できる日は来るのだろうか。