ビジネスモデルが異なる2つのサービスを中心に比較してみる
ぐるなびVS食べログ! グルメ系口コミ・予約系サービス筆頭は?
2014年03月24日 09時00分更新
売上が高く人件費も高い「ぐるなび」
そもそも、ぐるなびと食べログの2つはビジネスモデルが異なっている。ぐるなびは飲食店からの広告掲載料収入を得、食べログは一部有料サービスがあるが広告掲載料収入が中心というビジネスモデルだ。
しかし、食べログの口コミ人気に影響されたのか、ぐるなびも「応援!おすすめメニューランキング」という口コミ採点機能を採用。一方、食べログも店舗会員サービスに有料プラン、会員向け有料サービス「食べログプレミアムサービス」を用意。アプリ版有料化など、ビジネス強化に動いている。
では、具体的な売上はどうなっているのだろうか。両社の2013年4~12月の売上高を各社の決算資料から見ていこう。
初出時、データに誤りがありました。お詫びして訂正いたします(2014年3月25日)
ぐるなび
売上高 199億2000万円
有料加盟店舗数 5万2538店
食べログ
売上高 52億8100万円
有料店舗数 約2万6000店
プレミアム会員 32万人
それぞれ上記の通り。売上高を単純比較すると、ぐるなび:食べログは約4:1ほどの開きがあるのだ。ぐるなびと食べログのビジネスモデルの違いが大きく出た結果と言えるだろう。ただしこれは売上高のみの結果であり、営業利益を比較しなければ何とも言えない数字だ。
さらに注意したいのは、ぐるなびの方が運用コストもかなり高いと考えられる点だ。飲食店経営者なら経験があるだろうが、ぐるなびから営業の電話がかかってくることは多い。つまりそれだけ営業マンが多く、人件費がかかるということだ。
実際、ぐるなびの従業員数は単体で1316名に対し、食べログ運営のカカクコムの従業員数は単体で454名と、従業員数はぐるなび:カカクコム(食べログ)=約3:1。カカクコムの従業員数は食べログだけでなく、「価格.com」など他サービスのスタッフも含めた数字であり、実際の従業員数の差はさらに大きいと考えられる。
収益性はYelp.com<ぐるなび
米国版食べログとも言える「Yelp.com」も好調だ。2012年3月に運営会社が上場以来、人件費の負担から最終損益は赤字が続いているが、ユニークビジター数は1億人を超え(2013年1月)、売上も順調に伸びている。なお、2012年時点での売上高は1億3760万ドルだ。
ぐるなびの2013年3月の月間ユニークユーザー数は2800万人。ユニークユーザー数で比較すると、Yelp.com:ぐるなびは約4:1となる。しかし、2012年時点での売上高を比較すると、Yelp.com:ぐるなびは1億3760万ドル(141億1776万円):243億2百万円となり、約2:3と逆転し、ぐるなびのほうが上になってしまうのだ。
Yelp.comは米国版食べログともいうべきサービスであり、食べログと同様あまり収益性は高くないようだ。
私たちの生活にすっかり入り込んでいるグルメ系口コミ・情報サービス。上記以外にも、2014年2月にユーザー数200万人を突破した実名性飲食店口コミサービス「Retty」など、様々なサービスが登場している。今後も、ユーザーの用途や利便性に合わせたサービスを提供してくれることを期待している。
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