高橋暁子の「意外と知らない!? 業界ランキング」 第9回

ビジネスモデルが異なる2つのサービスを中心に比較してみる

ぐるなびVS食べログ！ グルメ系口コミ・予約系サービス筆頭は？

　『そういえば、あの業界のシェアは結局どこが一番多いんだっけ……？』
　そんな疑問を抱いたことがあるすべてのビジネスマンに捧ぐ連載。仕事でも利用できる業界ランキングや業界地図を私、高橋暁子が手っ取り早く紹介します。

著者紹介：高橋暁子

　ITジャーナリスト、コンサルタント。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。小学校教員、編集者を経て現在に至る。最新刊『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』の他、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』『図解　一目でわかるITプラットフォーム』（以上、日本実業出版社）、『ネット業界 儲けのカラクリ』（中経出版）など著作多数。http://akiakatsuki.com/　Twitterアカウントは@akiakatsuki

外食に関する消費者意識と飲食店の経営実態調査より抜粋（2013年12月／日本政策金融公庫調べ）

　飲み会や外食、デートなどの店を選ぶ時、皆さんはどうしているだろう。食べログなどのグルメ系口コミサービスでクチコミを確認したり、ぐるなびやホットペッパーなどの予約系サービスでクーポンを探すという人も多いのではないだろうか。

　今回は、お馴染みのグルメ系のクチコミ・予約系サービスの比較をしていこう。なかでも気になる「ぐるなび VS 食べログ」のライバル対決を中心に、その他の類似サービスや、米国版食べログと言われるYelp.comとも比較していく。

飲食店の予約時に利用するサービスは？

　みんなは外食時に何を情報源として店を決めているのだろうか。日本政策金融公庫による「外食に関する消費者意識と飲食店の経営実態調査」（2013年12月）を見てみよう。

　日常的によく利用する外食先の情報源について聞いたところ（複数回答）、「家族、友人、知人からのSNS等のインターネット上の口コミ」は18.7％、食べログなどの「口コミサイト」が19.8％、ぐるなびなどの「情報サイト」は19.2％となっている。

　それ以外に、従来のように「店の前を通りかかって」「家族、友人、知人からのインターネット以外の口コミ」「フリーペーパー」等も使われている。最早リアルからだけでなく、クチコミサイト、情報サイト、SNSなどで情報を得ることが一般に普及し、当たり前となっていることが分かる。

外食に関する消費者意識と飲食店の経営実態調査より抜粋（2013年12月／日本政策金融公庫調べ）

　なお、インターネットコムとgooリサーチによる「飲食店利用」に関する調査（2013年5月）では、飲食店を探す際に参考にするものとして「飲食店情報Webサイト」を挙げた人は56.5％と過半数に上っている。

　どのサイトを主に利用しているか聞いたところ、「ぐるなび」が46.8％、「食べログ」が35.8％、「HotPepper グルメ」が15.3％となっていた。ここではやはり、ぐるなびと食べログが二強状態となっている。

1位食べログ、2位クックパッド、3位にぐるなび

　「Simler Web」で「Food and Drink」カテゴリにおける日本のサイトランキングは、下記の通りだ。

Food and Drinkカテゴリにおける日本のウェブサービスTOP5
順位	サービス名
1位	食べログ
2位	クックパッド
3位	ぐるなび
4位	ホットペッパー
5位	コカ・コーラ

　アクセス数だけで見ると、食べログがリードしているようだ。

　同サイトで各サービスを見ると、食べログは検索経由が71.33％、直接食べログのサイトにアクセスする率が13.87％となっている。一方、ぐるなびは検索経由が55.22％、直接ぐるなびのサイトにアクセスする率は19.61％。ホットペッパーを見ると、検索経由は44.23％、直接ホットペッパーのサイトにアクセスする率が22.74％だ。

Simler WebのFood and Drinkカテゴリランキング

　食べログのSEOにおける圧倒的な強さが分かる結果と言える。2位のクックパッドもそうだが、ユーザーが自らクチコミやレシピを投稿するCGM系のサイトは、SEOに強い傾向にあるのだ。