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Apple Geeks第137回

「IRKit」—Arduinoがもたらす「草の根系デバイス」に注目

2014年01月17日 23時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu

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草の根周辺機器はステレオミニプラグを目指す?

 IRKitのベースとなった「Arduino」(アルデュイーノ)を始めとするマイコンキット/ハードウェア開発環境(以下、Arduino系キット)は、スマートフォン界隈にイノベーションをもたらすかもしれない。3Dプリンタはモノづくりにイノベーションをもたらすと昨年話題を集めたが、同じモノづくりでもArduino系キットはソフトウェア開発の要素を多く含む。

「Arduino Uno」(R3)

 イタリアのMassimo Banzi氏によって考案されたArduinoは、2005年の登場以来、教育機関を中心に支持を集めてきたが、昨年あたりから風向きが変わり始めた。以前から互換品は多く存在したが(Arduinoはオープンソースハードウェアなので商標を無断使用しないかぎり問題ない)、あのIntelまでもがArduino互換の開発ボード「Galileo」の発売に乗り出している(関連記事)。

Intelが発売したArduino互換の開発ボード「Galileo」

 Arduinoは、「スマート家電」のモックアップを作成するには最適だろう。数千円で購入できるほど低価格、開発環境一式も用意されている。欧米を中心に厚い(熱い)ユーザ層を抱えるため、資料も豊富だ。IRKitのような派生品が登場することで、開発コミュニティは確実に拡大することだろう。

Arduinoには、C++風の言語とその統合開発環境が主要OS向けに用意されている

 だからといって、LightningなどiOSデバイスの規格に沿った周辺機器の開発は難しいのでは……という指摘があるとすれば、それはそのとおり。iOSデバイスにはMfi(Made for iPhone/iPad/iPod)というプログラムがあるので、勝手な仕様の「iOSデバイス対応ハード」は売り出しにくい。

 しかし、iOSデバイスにもいくつかの抜け穴がある。たとえば、どのiOSデバイスにも用意されている「ステレオミニプラグ」。iOSデバイスをクレジットカード決済端末として利用可能にする「Squareリーダー」は、その好例といえる。無数にあるイヤホン/ヘッドホンがそうであるように、このポートを利用するデバイスは必ずしもMfiを取得する必要はない。

iOSデバイスをクレジットカード決済端末として利用可能にする「Squareリーダー」

 ステレオミニプラグ経由でコントロールできる家電は多い。実際、JVC KENWOODがビデオカメラ「Everio」向けにオプションとして発売したパンクレードルは、ビデオカメラ本体がiOSアプリからWi-Fiで受信した操作指示をステレオミニプラグ経由で受け取っている。

ビデオカメラのパンクレードルのように、ステレオミニプラグ経由で受け取る操作指示で十分機能する家電は少なくないはず(写真はJVC KENWOOD「CU-PC1-S」)

 少々ニッチかもしれないが、操作用の信号をステレオミニプラグで伝えるというアプローチは、家電では「あり」ではなかろうか。草の根デバイスがiPhone周辺機器市場を席巻する、などということがあればおもしろいのだが。


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