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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第225回

Intel Quark X1000が狙う新たな市場と、それを補うBay Trail-I

2013年10月21日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 今回は再びインテルのCPUアップデートをお伝えしよう。といっても、今回はエンベデッド向け。IDFの基調講演で突如発表されたIntel Quarkと、10月4日に発表されたBay Trail-IことIntel Atom E3800シリーズの話をまとめて説明したい。

「Intel Quark」と、「Intel Atom E3800」

ネットに接続する超小型機器向けの
プロセッサー「Quark X1000」

 IDFの基調講演で、同社CEOのBrian Krzanich氏が突如発表したのがこの「Quark X1000」だ。これは通常のPCあるいは組み込み機器向けよりももっと小型な、例えばセンサーなどと組み合わせて使う用途に向けた製品であるとした。

IDF初日の基調講演に登場したBrian Krzanich氏

Atomよりさらに低消費電力なQuark X1000チップを公開

 いわゆるIoT(Internet-of-Thing:モノのインターネット)と呼ばれる市場向けの製品である。要するに、今まではネットワークに繋がないで単独で動作していた機器や、コスト/性能面などからネットワークにつなぐことが難しかった機器類も、どんどんインターネットにつないでいこうという趣旨である。

IDFの基調講演でのスライドがこちら。この直前のスライドでは“IoTに求められる要求”として超低消費電力・接続性・省サイズ・セキュリティーを挙げていた

 こうした用途でネットワークにつなぐためには、最低限TCP/IPを理解し、可能ならデータ整理やデータ転送、簡単なサーバーを立てる程度の能力を持つことが好ましい。そのうえで「安価・低消費電力・省サイズ」を実現していることが求められる。

 こうした用途では、インテルのAtomですら高価格・高消費電力・大サイズと分類されるわけで、従ってインテルはこれまでIoTに向いたプロセッサーというものを事実上持ち合わせていなかったことになる。ここに向けた製品として投入されたのが、この「Quark X1000」というわけだ。

「Quark X1000」のパッケージサイズは15mm×15mm。ダイサイズは5.324mm×5.817mmの約31平方mmである

 すでにMakers Communityにおいてデータシート類は公開されており(関連リンク)、また基調講演やその後のエグゼクティブとのインタビュー、さらにはこれを搭載したIntel Galileoボードの詳細が公開されるなどの結果、細かいことがわかってきた。

こちらがGalileoボード。11月末から発売を開始予定。Arduino(アルドゥイーノ)と呼ばれる、世界中で利用されている8bitマイコンボードとI/Oやソフトとの互換性を保った製品

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