このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

NTT Comが描くクラウドとグローバルITの現実解 第2回

クラウドプレイヤーとしてのNTT Com、KDDI、IIJを斬る!

ガートナーが語った「キャリアクラウドを選択肢に入れる理由」

2013年10月28日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

NTT Com、KDDI、IIJの3社のクラウドを比較

 田崎氏が講演の後半に解説したのは、キャリアクラウドの選び方だ。現状、各社はIaaSやホスティング、マネージドサービス、データセンター、ネットワークなど共通したサービスポートフォリオを持っており、これらを組み合わせることで、企業システムのインフラニーズに対応している。一見すると、どれも変わらないように見えるが、実は差別化ポイントはいくつかあるという。

 「一番わかりやすいのはネットワーク。もともとネットワークを使っているユーザーであれば、クラウドを利用するのにコストはかからないというところもある」(田崎氏)。また、WANや複合環境をカバーするセルフサービスポータルの有無、マネージドサービスの中身も重要だという。「個別顧客に向けたカスタマイズされた運用サービスではなく、ある程度標準されている。監視だけ、バックアップだけ、といった感じでコンポーネントで提供している」(田崎氏)とのことで、サービスがきちんと標準化されているか確認すべきと指摘した。

キャリアクラウドの差別化ポイント

 これらの差別化ポイントをチェックするに当たっては、注意すべきポイントがある。たとえば、テクノロジーを変更したため、サービスやメニューに一貫性がなかったり、標準化されたサービスが使いにくくなっていたり、あるいはやたらカスタマイズを進められたりといったことが起こりえる。田崎氏は、「こうした部分がキャリアの力の入れ方で変わってくるので、きちんとチェックする必要がある」と指摘し、実際にNTTコミュニケーションズ、KDDI、IIJの3社を例に挙げ、それぞれの概況を説明した。

 NTTコミュニケーションズの場合は、一言でいえば「グローバル」だという。「ここでの“グローバル”には2つの意味がある。NTTコミュニケーションズ自体がグローバル展開する、あるいは国内企業のグローバル化を支援する“グローバルビジネス”という意味と、競争力を高めるための“グローバルスケール”という意味だ」(田崎氏)。グローバル展開を前提にネットワークとクラウドを構築し、幅広いサービスポートフォリオを提供しているのが大きな特徴。また、セルフサービスポータルやセキュリティサービスなども充実しているのも強みだという。反面、ユーザー業務への理解など発展途上の面もあるほか、NTTグループ全体のサービスの整合性が、ユーザーから見えにくいと評価した。

NTTコミュニケーションズのクラウド

 KDDIのキーワードはモバイル、デバイス、クラウドを統合的に提供する「マルチクラウド」で、特にクラウドに関しては企業向けのカスタマイズを前提としたプライベートクラウドに注力している。ただ、幅広い分野をカバーするがためにテクノロジーにおいてパートナー任せの面があるほか、サービスによっては認知度が高くなく、地域間で一貫性も欠けているという。「北米やシンガポールでクラウドサービスを展開しているが、残念ながらあまり知られていない」(田崎氏)。

KDDIのクラウド

 IIJはネットワーク回線を保有していないものの、インターネットバックボーンで長い歴史を持つ。高い技術面を持っており、2000年からクラウドの前身となるオンデマンドサービスを提供。「たとえば、ホスティングパッケージも単に標準化しただけではなく、使いやすさが考えられている」(田崎氏)。ただ、最近は企業ユーザーを多く取り込もうという意識が強すぎ、技術の新規性や革新性のアピールが見えなくなりつつあると指摘する。

IIJのクラウド

 各社とも一長一短だが、自社開発やパートナーシップなどを通じて日々テクノロジーが拡充されており、各社で投資のフォーカスも異なっている。そのため、「クラウドは発展途上なので、現在どうかではなく、今後どうなるかが重要」(田崎氏)と提言。もちろん選定においては、3社だけはなく、AWSや富士通、ベライゾンなど他のプロバイダーのサービスも含め、ネットワーク、マネージドサービス、標準化、サービスポータルなどをチェックすべきだという。

 重要なのは自社の要件に適応するかをきちんと把握することが重要だという。「まずはニーズを見極めること。グローバルアプリケーションを迅速に立ち上げたいなら、標準サービス、グローバルがポイント。従来のワークロードを動かすのであれば、複合環境やマネジメントを見ていく必要がある」(田崎氏)。

プロバイダと自社要件への適応性を把握する

 田崎氏は、「IaaSの検討にキャリアを加えること」、「機能比較ではなく、プレイヤーの特性を理解し、クラウド市場との親和性、従来環境からの移行戦略などを把握・評価すること」、そして「各プレイヤーのビジョン、サービス、投資姿勢などを評価基準にすること」の3つをガートナーとして提言し、講演を締めくくった。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事
  • アスキー・メディアワークス
  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
  • アスキーの本と雑誌
  • 電撃オンライン - 電撃の総合ゲーム情報&雑誌情報サイト!
  • 電撃ホビーWEB - 電撃のホビー雑誌・書籍&ホビーニュースサイト
  • 電撃文庫 - 電撃文庫&電撃文庫MAGAZINEの公式サイト
  • 電撃屋.com - 電撃のアイテムを集めた公式ショッピングサイト!