NTT Comが描くクラウドとグローバルITの現実解 第4回
NFVを駆使したVNOのVirtela社も買収
NTT Com、企業買収によって米国のデータセンター面積が倍に
2013年10月29日 06時00分更新
10月28日、NTTコミュニケーションズは米国のデータセンター事業者であるRagingWire DataCentersと、ネットワーク事業者のVirtela Technology Servicesの買収を発表。発表会では、NTTコミュニケーションズ 代表取締役社長の有馬彰氏が経緯と狙いを説明した。

NTTコミュニケーションズ 代表取締役社長の有馬彰氏
RagingWire DataCentersは、2000年に設立されたカリフォルニア州を本拠とするデータセンター事業者。米国内に西海岸のサクラメントと東海岸のアッシュバーンに3棟のデータセンターを保有しており、ICT事業者を中心に約200社の顧客を持っている。NTTコミュニケーションズが米国に保有するデータセンターに比べ、規模が大きいのに加え、特許技術をベースにした2N+2構成を用いた高品質な設備が特徴。有馬氏は「サクラメントはシリコンバレーとプレートが異なり、地震が少なく、電気代も安いという。アッシュバーンはデータセンターの集積地で、光ファイバー網の足場が整っている」(有馬氏)と立地面や信頼性という観点で高い評価を得ている。
今回のRagingWire DataCentersの買収により、約2万㎡の米国のサーバールーム面積が、一挙に倍以上の4万3000㎡に拡大するという。また、同社が持つデータセンターの総面積も、国内に比べ、グローバルの方が大きくなった。現在、NTTコミュニケーションズが所有している米国のデータセンターをRagingWireに統合していく計画もあるとのこと。
もう一方のVirtela Technology Servicesはコロラド州を本拠とするネットワーク事業者。ファイアウォール、WAN高速化などの装置を仮想化したNFV(Network Function Virtualization)を用いたクラウド型のネットワークマネージドサービスを提供しており、VNO(Virtual Network Operator)として多国籍企業を中心に高い実績を誇っている。「従来に比べてかなり高いオペレーション能力を持っている」(有馬氏)とのことで、仮想化やクラウドを前提とした運用管理を高く評価しての買収になったようだ。
また、NTTコミュニケーションズの160カ国に対して、Virtelaは196カ国/地域でサービスを展開しており、両社のネットワーク統合により、サービスエリアの一層の拡大やバックボーンの効率利用が実現するという。

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