山市良の「企業ユーザーはここに注目しよう!Windows 8.1の新機能」 第3回
作業中のフォルダーをファイルサーバーやiOS、Androidデバイスと同期
Windows 8.1の新しいファイル同期機能「作業フォルダー」
2013年09月19日 08時00分更新
モバイルデバイス管理のポリシーと統合、リモートワイプの対象に
作業フォルダーは、Windows PCだけでなく、iOSやAndroidデバイスからも利用可能になる予定であり、モバイルデバイスのセキュリティポリシーとともに展開できる。セキュリティポリシーにより、ローカルの作業フォルダーの暗号化と、パスワードによるスクリーンロックの設定を要求することが可能だ。
また、サーバー側の同期共有に対して、「ファイルサービスリソースマネージャー」を使用したクォータ設定やファイルスクリーン(ファイルの種類によるブロック)、「Active Directory Rights Managementサービス(AD RMS)」によるドキュメント保護を適用し、適用後のファイルをクライアント側に同期することができる。これにより、クライアントに保存されるファイルのセキュリティを強化することが可能だ。
ユーザーは、仕事関連のファイルを作業フォルダーに保存することで、仕事と個人のデータを明確に区別することができる。簡単に区別することができる。管理者は、同期共有を介して、個人のPCやデバイスに保存される仕事関連のファイルのセキュリティを強化することが可能だ。“作業フォルダー(Work Folders)”というネーミングは、まさにそこからきているのだろう。
なお、Windows Intuneの次期バージョン(Wave E)とSystem Center 2012 R2 Configuration Managerのモバイルデバイス管理機能を使用すると、クライアント側の作業フォルダーの内容を、デバイス紛失時のリモートワイプの対象にできるそうだ。残念ながらこの機能については、本稿執筆時点で新しいWindows Intuneのサービスが開始されていないため、評価することができなかった。
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次回も引き続き、Windows 8.1とWindows Server 2012 R2のBYOD対応機能について見ていく。次回は、モバイルデバイスからのVPN接続操作を簡単にする「自動VPN接続(Auto-Triggered VPN)」機能を紹介する。
筆者紹介:山市良(山内和朗)
Windows Server系の書籍、記事、技術文書を得意とするITテクニカルライター。2008年からMicrosoft MVP for Virtual Machineを受賞(Oct 2008 - Sep 2013)。主な著書に「Windows Server 2012テクノロジ入門」(日経BP社、2012年)、「Windows Server仮想化テクノロジ入門」(日経BP社、2011年)、「Windows Server 2008 R2テクノロジ入門」(日経BP社、2009年)。ブログ http://yamanxworld.blogspot.jp/
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