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止められないクラウドに「clustered Data ONTAP」第2回

定番ユニファイドストレージが高いスケールアウト性を得た

未曾有の拡張性を得たclustered Data ONTAP 8.2の魅力

2013年09月30日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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前回は、クラウドの基盤を支えるストレージOSとして、clustered Data ONTAPがどのような価値を持っているかを中心に説明してきた。今回はclustered Data ONTAPのアーキテクチャと安定版として提供される最新版8.2の新機能について徹底的に解説する。

高い拡張性を実現するclusterd Data ONTAPのアーキテクチャとは?

 clustered Data ONTAPの最大の特徴は、やはりスケールアウト可能なアーキテクチャだ。最新のclustered Data ONTAP 8.2では、最大で69PBのストレージ容量、24のコントローラーノードに対応。最大4万9000のLUN(Logical Unit Number)、1万2000のNASボリュームをサポートしている。これにより、10万以上のクライアントと、単一コンテナで最大20PBまで対応。まさに未曾有の拡張性を得たといえる。

 容量だけではなく、性能もリニアに拡張でき、しかもclustered Data ONTAP 8.2では99.999%という高い可用性のノンストップオペレーションを実現する。しかも複数台になっても、物理的なストレージの台数、データの位置などを意識せず、1台のストレージとして扱えるのがポイントといえる。

clustered Data ONTAPによるシームレスな拡張

 機能面でもTransparent Vol Move(透過的なボリューム移動)、パフォーマンス管理のためのQoS(Quality of Service)、Hyper-Vに最適なSMB(Server Message Block)3.0への対応などが行なわれており、本格導入に耐えうるクオリティに仕上がっている。

 これらを実現するclustered Data ONTAPのアーキテクチャとはどうなっているのだろうか?

スケールアウト可能なアーキテクチャの秘密

 clustered Data ONTAPのクラスターは、2台のNetApp FAS/Vのコントローラーを1組としたHA(High Availability)ペアをベースに構成されている。このHAペアでは、Data ONTAPの根幹をなすファイルシステムであるWAFL(Write Anywhere File Layout)や書き込みの最適化を実現するNVRAM、2重のディスク障害からデータを守るRAID-DPなど、7-Modeで培われた実績のある技術が採用されている。つまり、これまでのData ONTAPの効率性や堅牢性などはそのまま継承されたHAペアというわけだ。

 そして、clustered Data ONTAPは、このHAペアを10Gbps Ethernetのインターコネクトでつなぐことで、高い信頼性とスケールアウトが可能なリソースプールを構成する。サポートするプラットフォームもclustered Data ONTAP8.2をサポートするすべてのFAS2000、FAS/V3000、FAS/V6000シリーズに拡大し、新旧を織り交ぜて、クラスターを構成できる。

耐障害性の高いHAペアをベースに構成された物理構成

 clustered Data ONTAPでは、このリソースプールを「SVM(Storage Virtual Machine:旧称Vserver)」という論理レイヤーで抽象化している。つまり、クライアントやホストからは、SVMが文字通りストレージの仮想マシンとして見えるわけだ。SVMは、論理インターフェイス(LIF)と仮想ボリュームである「FlexVol」、アプリケーションやOSから利用するLUN(Logical Unit Number)などから構成されており、クライアントのリクエストに応じて、リソースを提供する。

clustered Data ONTAPの論理イメージ

 もともとData ONTAPでは複数のRAIDグループを「アグリゲート」としてまとめ、これらアグリゲートを「FlexVol」という仮想ボリュームで集約している。この仮想化されたFlexVolからLUNを切り出し、OSやアプリケーションに提供するわけだ。clustered Data ONTAPでは、このFlexVolをSVM内のリソースプールとして扱うことで、柔軟なリソース管理を実現する。また、管理の委譲やマルチテナントを実現できるほか、ユニファイドストレージ用のコンテナなので、SANホストからも、NASのクライアントからもアクセスできるのが特徴だ。

SVMは論理インターフェイスや仮想ボリューム、LUNなどのコンテナとして動作する

ホストやクライアントからの透過的なアクセス

 clustered Data ONTAPでは、単にストレージリソースをプール化しているだけではなく、ホスト/クライアントから“透過的に”アクセスできるようにしているのが特徴的だ。ここでいう“透過的に”というのは、データの物理的な位置を意識しないでOKという意味。物理ストレージの台数が増えても、ボリューム自体が移動しても、ホストやクライアントの設定を変更せず、データにアクセスできるということだ。

 これを実現するため、SVMでは複数のボリュームを単一のネームスペースにマウントする機能がある。仮想的なリソースを物理的なリソースに結びつけることで、ボリュームが移動しても、変更されず、単一のNFSマウントやCIFS共有が実現する。また、特定のLIFをクラスター内の別の物理ポートに動的に移動する「LIFマイグレーション」という機能も用意されている。これを使うことで、ホストやクライアントは無停止で、複数クライアントの接続を負荷分散したり、継続にデータアクセスできるようになる。

複数のボリュームを単一のネームスペースにマウントする

 このようにclustered Data ONTAPでは、コントローラーやリソースを高度に抽象化しているため、複数台を並べても、1つのストレージシステムとして扱える。ユーザー側での変更はいっさいなく、リソースを追加・削除することが可能になっている。しかも、オンラインでのボリューム拡張が可能で、ネームスペースやLUNの変更も不要。ユーザーの使い勝手をキープしたまま、容量や性能をシームレスに拡張できるわけだ。

(次ページ、QoS、SMB3.0対応、透過的なボリューム移動などの新機能)


 

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