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“Software-Defined”なんてずいぶん前からやっている

ネットアップの好調な業績の源泉は“クラウドフォーカス”にあり

2013年06月21日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月20日、ネットアップは2014年度の事業戦略説明会を行なった。製品や技術開発はもちろんクラウドへの注力、特定業種・業態への重点施策などに対前年度比24%という高い成長を実現。3年間で国内の売り上げを2倍にするという目標を掲げた。

クラウド分野では186%の成長率を記録

 登壇したネットアップ代表取締役社長 岩上純一氏は、まず「つねに革新的かつ実装性の高い技術をもって、お客様の成功を支えるTrusted Advisorになる」という同社のビジョンを披露。市場をリードする製品や技術の投入により、「3年で国内売り上げ2倍、今年度も20%以上という成長目標を目指す」と宣言した。

ネットアップ代表取締役社長 岩上純一氏

 こうした強気な数字の背景には、2013年度(2012年5月~2013年4月)の国内売り上げで前年度比24%という高い成長率がある。「この数字を実現している会社はほかにはない。われわれの今までの戦略は間違っていなかった」と語る岩上氏は、法人向けメールサービスに「clustered Data ONTAP」を採用したTOKAIコミュニケーションズ、仮想デスクトップのストレージ環境を自前で構築・運用した北日本放送、FASをベースにしたサーバー仮想化基盤にSAPのシステムを構築したアンリツなど最新の顧客の声を紹介した。

ネットアップの国内売り上げの推移

 続いて岩上氏はIDC Japanのデータを引き合いに市場動向を概観。国内のIT市場全体の成長率が1%(2011~2016年)、国内外付けディスクストレージシステム市場(2012~2017年)の成長率が1.8%にとどまるのに対し、IDCが定義するモバイル、クラウド、ビッグデータ、SNSなどを前提とした“第3のプラットフォーム”の分野では7.9%の成長率が見込めると説明した。

“第3のプラットフォーム”の分野では7.9%の成長率

 こうした市場環境の中、ネットアップは古くから第3のプラットフォームの基盤技術であるクラウドに注力してきたという。岩上氏は2013年度は対前年度比で186%という驚異的な伸びを示したと説明。「もともとクラウドプロバイダーに強いのに、さらに2倍近い伸びを実現できた。Data ONTAPがクラウドプロバイダーに向いているというのが明らかになった」と語る。

 また、クラウド上のソリューションではVDIが66%の成長を伸びた。「VDIはサイジングが難しい。試行錯誤の連続で、われわれも多くの血を流してきた。しかし、逃げなかった」と述べ、多くのノウハウが導入に結びついたと説明した。また、ERPで237%、マイクロソフトのソリューションにおいても143%という成長率を記録。「お客さんはすでにSANか、NASかで製品を選んでいるわけではない。仮想化に強いかどうかが大きな鍵になっている」(岩上氏)とのことで、ユニファイドであることはすでに大きな差別化ではないと指摘。すでに現在51社目のERP案件に取り組んでいると述べた。

 ここまで成長してきた背景には、「アプリケーション on クラウド」にこだわってきた点があるという。Data ONTAPという基盤ソフトウェアを元に、仮想化、DR、バックアップ、ビッグデータなど汎用性の高いクロスソリューションを構築。「パートナー単位の営業を業種や業態単位に変え、顧客の課題をとことんヒアリングし、業界ソリューションを構築してきた」(岩上氏)ことも大きいという。

モバイルデバイスからアクセスできる
NetApp Connectを近日発表

 製品面でも、コモディティ化されたハードウェアをData ONTAPという高機能なストレージOSで制御するという戦略を堅持してきたことが大きな成果として現われていると指摘した。Vシリーズというゲートウェイタイプ製品を使って、他社製品やコモディティストレージを束ねて使っている大手顧客を紹介。昨今喧伝されるSoftware Defined DataCenter(以下、SDDC)のようなメッセージに対しても、「SDDCを他社が言う前から、(Data ONTAPでは)Software-Definedしてきた。早くからAPIもオープンにしており、これほどフレキシブルにSDDCに対応している製品はない」(岩上氏)と牽制した。

“モバイルデバイスからセキュアにアクセスできる「NetApp Connect」

 2014年も継続性のある製品戦略を推進し、クラウドや共有ストレージ、自動化などのほか、フラッシュやモビリティの分野に注力するという。近日リリースする新製品としては、モバイルデバイスからネットアップのストレージに安全・簡単にアクセスできる「NetApp Connect」、高い信頼性や拡張性を誇るclustered Data ONTAPの新バージョン8.2、自動化を推進した統合管理ソフトウェア「NetApp OnCommand」の新版が用意されているほか、さらに2014年には最新フラッシュに最適化されたFlashRay製品を投入する予定となっている。今年も、さまざまな製品と技術で業界をリードしていくことになりそうだ。

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