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ネットワークとCDの二刀流:

2倍の楽しさ秘めた、高音質ネットワーク機「CD-N500」

2013年09月20日 11時00分更新

文● F小林/ASCII.jp編集部

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将来にわたって使える、本格的なネットワーク再生機能

 ネットワークプレーヤーとしてみれば、上位機「NP-S2000」(関連記事)に匹敵する豊富な機能を備えている点にまずは注目したい。

背面にはアナログとデジタル出力の端子を装備。将来的に単品のD/Aコンバーターなどを追加して音質強化を図ることも可能だろう

 DLNA 1.5に準拠し、FLACやWAV形式で保存されたファイルであれば最大24bit/192kHz、MP3、AAC、WMAなどそれ以外のファイルは最大16bit/48kHzまで対応する。Apple Losslessの再生も可能だ。ライブ録音の音源などで威力を発揮するギャップレス再生にも対応するなど、ネットワークプレーヤーに求められる機能は一通り備えている。Ethernet端子は背面に1系統。ほかに同軸/光1系統のデジタル出力や、iPhoneのデジタル接続もできるUSB端子を持っている。

前面のUSB端子はUSBメモリーやiPhone/iPodの接続が可能

 ハイレゾ配信のタイトル数も着実に増え、国内で言えばe-onkyo music、海外ではHDTracksのようにメジャーレーベルのアーチストを扱うサイトも続々と登場している。今後の流れを考えると24bit/192kHzへの対応にはこだわりたいところだ。国内を中心に局所的な盛り上がりを見せているDSD配信には対応しないが、録音の現状を考えると、24bit/192kHzに対応していれば、将来にわたって十分に使い続けられるだろう。

 設置も簡単で、すでにLAN環境が用意されている環境であれば、基本的にはそこに接続し、電源とアンプにつなげばすぐに使い始められる。ASCII.jpの読者であればすでに自宅にLANを導入している割合は高いはずなので、導入のハードルはきわめて低い印象だ。

予算5万円で、手元の音源をフル活用できるプレーヤーを探すなら?

 ほんの数年前までは、いかにも周辺機器然とした利便性重視の製品か、何十万円(ものによっては何百万円)と手を伸ばすのに躊躇する超ハイエンドの製品しかなかったネットワークプレーヤーだが、この1~2年の間に、Hi-Fi機器の思想を取り入れながら、価格的にも手が届きやすい魅力的な製品が続々と登場してきている。

CDと、ネットワーク/USB用の電源部をそれぞれ独立。基板もブロック化し、干渉を抑制。さらに、DAC部を電源部から遠ざけるなど、回路設計にはHi-Fi機器でヤマハが培ったノウハウが凝縮されている。筐体の剛性感も中々のものだ

 本機も実売5万円台と手の届く、価格帯を実現。一方でDLNAを活用したネットワーク再生、CD再生機能に加えて、USBメモリーに保存したファイルの再生、そしてインターネットラジオやAM/FM局の番組を高音質に再生できるradiko.jpにも対応するなど機能は多彩だ。

 実売5万円以下の価格帯に目を向けると、パイオニアの「N-50」、デノンの「DNP-720SE」などいくつかの競合機種が存在するが、CD-N500はすでに述べた「CD再生機能」という特徴以外にも、radiko.jpに対応し、高音質にFM/AM放送を楽しめるといった特徴を持つ。機能はかなり豊富だが、専用アプリ「NETWORK PLAYER CONTROLLER」の機能は練られ、メニュー構成に不自然な箇所があったり、操作方法に悩むといったシチュエーションをほとんど感じなかった。手元のスマホから直感的に各種機能を呼び出せる。

 CD-N500は、AirPlayには対応しないが、NETWORK PLAYER CONTROLLERを使えば、手元のiPhoneやiPadの中に保存している楽曲ファイルを無線で飛ばせる。CD-N500を操作する、リモコン代わりに使いながら、普段持ち出している音楽も気軽に聞けるのだ(著作権保護されているコンテンツは除く)。CD-N500はApple Losslessファイルの再生にも対応。iTunesで作った既存のライブラリーを流用していくのも簡単だ。

各種機能はアイコンでわかりやすく表示

CD再生時の画面、PURE DIRECTや電源オフなどもできる

ギャップレス再生に対応するので曲間に無駄な空白を開けずに再生できる

FM/AMキー局の放送が聞けるradiko.jpに対応、AMも高音質

DLNAに対応したサーバーが一覧できる

インターネットラジオも豊富な放送局が選べる

 付属リモコンと1行ディスプレーでも一通りの操作はこなせるCD-N500(これはこれで驚き)だが、ネットワークプレーヤーの魅力はやはり手元のデバイスで多機能を手軽に呼び出せるという点にある。使い勝手のいいアプリが用意されている点は心強い。

 本体の電源を入れ、ネットワーク上にあるメディアサーバーを探し出すまでの速度も短く、聴きたいときにすぐ聴けるという点も本機の魅力である。

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