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業界初を謳うSoftware Defined Serverの真の価値とは?

新市場への“月面開拓”を目指す「HP Moonshot」サーバー

2013年04月22日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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ニーズはメガサービスプロバイダーだけではない

 製品概要について説明した米HP インダストリスタンダードサーバー&ソフトウェア事業部のジム・ガンティア氏は、モビリティ、クラウド、ソーシャル、ビッグデータという4つのメガトレンドに追従するためには、単にハードウェア、ソフトウェア、サービスを包括的に統合するだけではなく、HP Moonshotのような新しいアーキテクチャーのサーバーが必要だと指摘する。

 ガンティア氏が将来動向として説明したのは、IoT(Internet of Things)の拡大によるデバイスやトラフィックの爆発だ。2013年の時点では「60秒間で2万3148ものアプリがダウンロードされ、20万8333秒分のAngry Birdがプレイされる」(ガンティア氏)という状態だが、2020年までにはデバイスは300億に、データは40兆GB、ユーザーは80億に拡大する。こうした時代を生き抜くべく、桁の違うスケール、効率性を実現するのが新サーバーがHP Moonshotというわけだ。また、スペースや電力だけではなく、コストも従来に比べ、77%削減でき、イノベーションに充てることができるとアピールした。

Hewlett-Packard Company Vice President of Marketing,Industry Standard Servers and Software, HP Enterprise Jim Ganthier

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 インダストリスタンダードサーバー事業本部 事業本部長 林 良介氏

 続いて、日本HP インダストリスタンダードサーバー事業本部 事業本部長の林良介氏は、日本の販売戦略について説明した。

 林氏は、国内でのサーバー市場が徐々にシュリンクしている動向を再確認。新規市場の事業展開が市場の拡大を実現するとして、発売の1年前から国内50社に製品の紹介や検証を実施したという。その結果、当初想定したSNS、ゲーム、メディア配信などメガサービスプロバイダーの用途だけではなく、半導体設計や流体解析、バイオ分野での研究・開発のほか、BIや意思決定、デジタル信号処理、センサーや監視などのリアルタイム分析・サービスなどでも、こうしたハイパースケールサーバーのニーズがあることがわかったという。

HP Moonshot Systemの活用機会

 こうしたニーズを受け、日本では専門の営業部隊を設置。アプリケーションを提供するパートナーのリクルーティング、徹底した実機検証による導入メリットの明確化、新規カートリッジの開発推進などを実施していくという。林氏は、「すでに14社ほどのHP Moonshot Systemパートナーに手を挙げてもらっているので、新しいニーズの“月面開拓”をお手伝いしてもらう」と述べ、新市場の開拓に注力していく戦略をアピールした。

 シャーシ、45台のサーバー、1組のスイッチ/アップリンクモジュール、2個の電源を含んだHP Moonshotの希望小売価格は1222万円(税込)。既存のラインナップとは異なる新しいサーバー市場を切り開き、2015年には年間6万台の出荷を目指す。

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