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性能問題解消のためVDIからハードウェア専有型に移行、設置スペースは半分以下に

パナソニックIS、デスクトップ環境“脱仮想化”にHP Moonshot採用

2014年10月28日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 パナソニック インフォメーションシステムズ(パナソニックIS)が、自社のモバイルワーカー向けリモートデスクトップ環境の基盤として、超高密度サーバー「HP Moonshot System」を採用した。従来利用してきた仮想デスクトップ環境(VDI)のパフォーマンス問題解消のため“脱仮想化”し、ハードウェア専有型のリモートデスクトップ環境を構築した。

Moonshot Systemは、1シャーシにサーバーカートリッジを45個搭載できる超高密度サーバーシステム

 今回パナソニックISが導入したのは、Moonshot SystemベースのHDI(専有型デスクトップ環境)ソリューションである「HP ConvergedSystem 100 for HDI(HP CS100 for HDI)」。日本HPが10月27日に導入事例として発表した。

 パナソニックISでは、2010年から社内170ユーザーを対象としたVDIを導入してきたが、近年では恒常的にパフォーマンス問題が生じていた。この問題を解消するために、今回、個々のユーザーがハードウェアを専有利用できるHP CS100 for HDIを導入し、VDIからHDIへの移行を行った。

HDI(専有型デスクトップ環境)とVDI(仮想デスクトップ環境)の違い(HPサイトより)。HDIは各ユーザーが物理リソースを専有できるため、より通常のPCに近いパフォーマンスが得られる

 HP CS100 for HDIでは、45台のサーバーカートリッジを収容できる4.3UサイズのMoonshot Systemシャーシに、リモートデスクトップ専用の「HP ProLiant m700サーバーカートリッジ」を搭載している。同カートリッジには、CPUとGPUを統合した「AMD Opteron X2150 APUプロセッサ」、8GBメモリ、64GB SSDをそれぞれ4個ずつ搭載しており、1カートリッジあたり4ユーザー分、1シャーシ換算で最大180ユーザー分のデスクトップ環境を提供できる。

リモートデスクトップ専用の「HP ProLiant m700サーバーカートリッジ」。1カートリッジで4ユーザー分のデスクトップ環境を提供する

 今回、パナソニックISは、HP CS100 for HDIを2シャーシ/60サーバーカートリッジ(最大240ユーザー)構成で導入。高速な内蔵SSD上でOSとアプリケーションを稼働させ、ユーザー領域のデータは外部ファイルサーバーに保存する構成とした。

 その結果、表計算ソフトのスクロールや動画再生などのパフォーマンス検証においては、通常のPCと区別が付かないほどの快適な動作が得られることが確認できたという。第1フェーズではVDIユーザーの移行を行ったが、今後の第2フェーズではこれまで高性能なPCを利用してきた開発系ユーザーも移行対象としていく方針。

 また、サーバー機器群の収容スペースはVDIの半分以下に削減され、カートリッジ単位で電源オフができることから消費電力も抑制されているという。

 なお、HP CS100 for HDIでは、個々のユーザーに対してカートリッジを固定的に割り当てることも、動的に割り当てることもできる。パナソニックISでは固定割り当て方式を選択し、よりシンプルな運用を実現している。

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