緩急とものの質感、音による演出がストーリーを盛り上げる
── より動きのある戦闘シーンということで、サンダース大学付属高校との一戦(第6話)もセレクトしてみました。
太田 「Aパートの冒頭からIII突とM4シャーマンの打ち合いが始まってド迫力ですが、やっぱり見てみたいのはBパートですね」
── 詳しくは本編を見てほしいけど、両校壮絶な追いかけっこの果てに紙一重の差で勝負が決する印象的なストーリー展開になってますね。
太田 「ドタバタコメディーに人間模様が加わって、最後はものすごい緊迫感。この緩急の表現に音がどう加わってくるのかも注目したい部分」
(C)GIRLS und PANZER Projekt
(第6話冒頭から視聴開始)
── いやすごかった。一緒に見てたショールームの人も手に汗握ってたよね。
貝塚 「すごかった」
太田 「Aパートの冒頭から試合が終わるまで見入ってしまった。撃ち合いの迫力は当然のようにあるんだけど、静寂との緩急の差があったり、挟み込まれる戦車内部のシーンとか色々聴きどころみたいなところも多かった気がします」
── アリサの乗ったサンダース大付属高校のフラッグ車と大洗女子学園のバレー部チームが遭遇してしまうシーンとかね。他のシーンとの音の対比で、双方唖然としてる感じがよく伝わってくる。
太田 「戦車内部のシーンだと、弾を装填するシーンの重量感とか、かなり好きです」
── 金属ならではの質感とか、きっとこの弾は重いんだろうなと思わせる感じとか、サブウーファーありとなしでずいぶん違うよね。
太田 「サブウーファーありとなしの状態で比較して聴きましたが、サブウーファーありの音は単純な2chの音に低域の量感を増したとか、そういうものじゃない。これがよく実感できますね」
── 白眉は最後の稜線射撃ですね。
貝塚 「射撃体勢に入る前の戦車のエンジン音、弾を装填する音、そして発射した弾が飛んでいくときのぶるぶるとした振動」
太田 「あの振動はサブウーファーならではのものでしたね。なんというか部屋全体がビリビリ言ってた。ここだけでも2.1chじゃないとダメと感じた」
── メインのスピーカーじゃ鳴らない低域を単に補うだけじゃなくて、きちんとLEFのチャンネルを作ってあるというのは、作品全体を通して感じる部分だけど、ここは明らかにありとなしの違いが分かるところだから、センシャラウンド方式の魅力が伝わってきた。
基礎知識/サブウーファーとは?
低域の再生に特化したスピーカーシステムのこと。一般的なスピーカーでは出せない超低域を担当したり、低域の量感を補う役割を果たす。AVアンプなどマルチチャンネルの出力に対応した機器と組み合わせて使う。
再生する音域が狭いため、0.1chとして数えられることが多いが、単に特定の周波数より下の音を再生するわけではなく、5.1ch、2.1ch収録の音声ではLEFという独立したチャンネルに専用の情報が収録されている。超低域は指向性(音の向き)が感じにくいとされるため、サブウーファーは1基のみで使用されることが多いが、11.2chなど、サブウーファー用のチャンネルを増やしたサラウンド方式も存在する。その場合は小数点以下の数字を増やして表記する。
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