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速くて便利! 実測でわかるモバイルデータ通信 第38回

月額約1000円からのLTE! 春のデータSIM入門

2013年04月11日 12時00分更新

文● 正田拓也

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MVNOの老舗、b-mobileは音声通話対応の格安LTEプランを提供

 MVNOの老舗のb-mobileも格安SIMのラインナップが豊富だ。最も安いのは月額980円の「スマートSIM 月額定額980」で、150kbpsの通信が可能。ひとつランクが上の「スマートSIM 月額定額1980」は、高速通信の容量1GB分が付き、それを超えると150kbpsに制限される。

 これはIIJmioの「高速モバイル/D ミニマムスタートプラン」、「ライトスタートプラン」と同等となるが、IIJmioが200kbpsとわずかに速度が早く、料金も数十円安いため、現在ならばIIJmioのほうが得になる。

 ただ、IIJmioのサービスも4月になってから増速したばかりなので、b-mobileも対抗して速度を上げてくる可能性がある。b-mobileでは通信速度が300kbpsの低速サービスの「b-mobile U300」のチャージ料金を最近値下げした例もあり(30日間で2980円→2100円)、目が離せない。

 また、b-mobileは格安SIMを提供するMVNOの中でも、音声通話ができるSIMを提供していることも特徴だ。3月に登場した「LTEプラン」は音声通話ができるLTEプランに150kbpsの低速通信サービスが付いたプランSで月額2060円。音声通話は別途従量制で30秒ごとに21円だ。

 LTEプランは音声通話機能がないモバイルルーターやタブレットにはまったく役立たないプランだが、スマートフォンで通話もしてみたいというならリーズナブルだ。

実測! IIJmioの200kbpsは使えるのか?

 さて、今回紹介したSIMを利用する場合、ぜひ把握しておきたのが低速モード時の使い心地。そこで、IIJmioのライトスタートプランで、バンドルクーポンOFFの状態に設定、通信速度上限が200kbpsに制限された状態で計測してみた。モバイルルーターはドコモの「L-09C」(LG製)で、Core i7を搭載したノートPCで計測した。

下り通信速度の測定結果(単位はMpps)

下り通信速度の測定結果(単位はMpps)

上り通信速度の測定結果(単位はMpps)

上り通信速度の測定結果(単位はMpps)

 BNRスピードテストの結果で規格より速い速度が出ているほか、200kbpsを安定して記録していることから、使い勝手は意外にいいという印象だ。

 実際に200kbpsの環境を使い込んでいくと、200kbpsが安定的に出ていれば実用性は決して低くないということを実感する。速度テストだけしていると測定にも時間がかかって遅い印象を持ってしまうが、実際は違う。

 例えば、ASCII.jpのトップページを開いたとしても、数秒で表示される。高速通信状態でも一部の画像の表示に時間がかかることもあるので、それほど問題だとは思わない。

 遅さを感じる場面としては、オープニングに高精細なFlash動画を組み込んでいるような企業ページを表示した場合。また、ソフトウェアのダウンロードをすれば、200kbpsであることを思い知る。

 反対に言えば、そういった大容量データをダウンロードしなければ200kbpsでもウェブブラウズ程度は十分。また、速度制限のない状態との比較でも、高速モードだからといってとびきり高速ではないことも注目したい。

 また、ドコモのデータ通信プランのSIMとも比較しているが、同じ電波を掴んでいるにも関わらず、ドコモのほうが下り速度は速いという結果が出ている。インターネットなので常にドコモ優位になるわけではないが、同じ電波でもIIJmioと本家ドコモは決して同じ速度にはならないことも言える。

自分の利用スタイルをよく分析して選択

今回紹介した格安SIMの一覧

今回紹介した格安SIMの一覧

 これらの紹介したサービスだが、どれがいいか悪いかは単純な優劣は付けられない。使う人の利用スタイルによって、有効なサービスになったり、まったく合わなかったりするからだ。

 そのため、自分の利用スタイルを十分に分析する必要がある。例えばOCNのサービスは、毎日必ず外出する人でないと無駄が多くなるし、月額1974円で月間1GBの高速通信ができるIIJmioのライトスタートプランがお得だと思っても、ほとんど使わないならミニマムスタートプランで必要な分だけチケットで増速したほうが得になることもある。

 一方で2年間以上の長期に渡って使い倒すという場合、今回紹介したMVNOではなく、容量制限が緩いイー・モバイルのLTEプランや、ドコモの携帯電話と併用するなら同社のデータ通信プランを選んだほうがいいこともある。

 まずは、使う頻度と曜日、ネットで使う通信内容、どれだけのデータ量を使うかなどを十分に分析してから、サービスを選んでほしい。

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