スマートフォンのテザリング機能が盛り上がりを見せているが、テザリングよりもボタンひとつで使いはじめられるモバイルルーターの便利さに根強いファンも多い。
そんなモバイルルーターのラインナップが豊富なNTTドコモから、新型のXiモバイルルーター「HW-02E」が登場したので検証してみよう。
意外にも、Xiモバイルルーターはファーウェイ初!
ファーウェイと言えば、イー・モバイルの初代「Pocket Wi-Fi」の製造メーカーでもあり、ドコモも3G(FOMA)のモバイルルーター「HW-01C」を投入。現在では、au、ソフトバンク、イー・モバイルのモバイルルーターの主要機種はファーウェイといった状況だ。
しかし、ドコモではXiモバイルルーターのラインナップはLGやバッファローだけで、意外にもファーウェイは初参入となる。
本体を見ると、デザインが異なるだけで、ディスプレーや電源ボタンの配置がイー・モバイルの「Pocket Wi-Fi LTE GL06P」にそっくり。裏ブタが外れて電池交換ができる点や、幅56×高さ90mmというサイズも同一だ。
ただし奥行(厚み)は若干異なる。GL06Pが19.9mmなのに対して、HW-01Cは最厚部でも14.1mmと薄型だ。
なぜ薄いかといえば、搭載バッテリーがイー・モバイル版の3560mAhに比べて1780mAhと小さいから。イー・モバイル版では連続通信時間がLTEで12時間だったのが、ドコモのHW-02Eでは約5時間となっている。
重量はGL06Pの約150gから約103gへと大幅な軽量化を実現しているので、重さや薄さ優先という人にはちょうどいいだろう。
新機能としては、Wi-Fiオフロード(モバイル回線網による通信の比率を無線LANを導入することで低くする)を実現するために、インターネット側にも無線LAN機能を搭載した点。これによりLTEだけでなくdocomo Wi-Fiなど公衆無線LANや家や会社の無線LAN親機に接続し、通信量をセーブすることもできる。
また、電源オンから5秒で起動という点もHW-02Eの特徴だ。この“5秒”とはディスプレーが通常動作状態を表示するまでの時間なので、使用開始まではもう少しかかる。
実際にインターネットからデータが流れてくるまでの時間は、ノートPC側が無線LANアクセスポイントとして認識する時間や、接続処理を行なう時間もあるため、正確な測定はできない。参考までに、何度か試した限りでは、電源ボタンを押して30秒以内にはPCでネットが接続できる状態になる。
下り最大112.5Mbpsの通信速度と800MHz帯に対応
スペックの面では、LTE(Xi)の下り最大112.5Mbpsに対応し、1.5GHz帯/800MHz帯の通信も利用できる点がHW-02Eの最大の特徴だ。
現在のところ、下り最大100Mbpsや112.5Mbpsのエリアは地方都市を中心とした非常に限られた場所だけの展開となるが、エリアとなった場合、従来の75Mbpsまで対応のモバイルルーターに比べ、高速な通信が可能となる。
また回線混雑時でも、より広い周波数に対応しているため、混雑を回避できる可能性がある。現在は従来のXiモバイルルーターと使い心地は変わらないかもしれないが、今後、長く使うにつれて、使い心地が改善していく可能性は高いだろう。
なお、現在のところ、下り最大112.5Mbpsに対応した機種はドコモのラインナップの中でも同じファーウェイ製のスマートフォンである「Ascend D2 HW-03E」(4月発売予定)の2機種に限られ、モバイルルーターではこのHW-02Eが唯一の機種となる。

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