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スイッチを単なる箱にする破壊的テクノロジー

ネットワーク仮想化の本命!Niciraが国内本格始動へ

2012年02月23日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2月22日、ネットワーク仮想化技術を展開する米ニシラネットワークス(Nicira)は、日本での事業展開について説明する発表会を開催した。Niciraの創業者で、OpenFlowの父でもあるマーティン・カサード氏がネットワーク仮想化の重要性についてアピールした。

ネットワーク仮想化で効率化を極める

 Niciraは2007年に設立されたITベンダーで、OpenFlowの開発者であるマーティン・カサド氏が設立したことで知られている。2011年にOpenFlowをベースとしたネットワーク仮想化を提供する「NVP(Network Visualization Platform)」の出荷を開始し、NTT、AT&T、ラックスペースなどの大手通信事業者・データセンター事業者がこぞって採用したことで、大きな注目を集めている。

米Niciraの最高経営責任者 スティーブ・ムレイニー氏

 発表会の冒頭、米Nicira CTOのスティーブ・ムレイニー氏は、ムレイニー氏は、ネットワーク分野だけが仮想化の波から取り残されていると指摘。「クラウドデータセンターで一番頭の痛い問題は高価で複雑で、柔軟性のないネットワークだ。多くのデータセンターが管理に悩みを抱えている」(ムレイニー氏)。そのため、ネットワークも仮想化を進め、物理的なハードウェアから切り離すべきと述べた。こうしたネットワークの仮想化をNiciraの使命と捉え、同氏は「これは移行ではなく変革だ。ネットワークの25年の歴史の中でもっとも大きな変革を迎える」とアピールした。

米Nicira 共同設立者兼CTOのマーティン・カサド氏

 引き続き、技術の詳細について説明した米Nicira 共同設立者兼CTOのマーティン・カサド氏は、サーバー仮想化により、アプリケーションと物理サーバーが分離されたものの、既存の物理ネットワークのせいで本来のメリットを享受できないと指摘した。「仮想化を追求すれば、本来は運用の簡素化やスピード化、マルチベンダー化、ハードウェアの利用効率の向上などのメリットが得られるはずだ。たとえば、現在はデータセンター間で仮想マシンを動かすことはできないし、製品選定もベンダーに依存してしまう」(カサド氏)。これに対して、NiciraのNVPはハイパーバイザー上のOpen vSwitchにより、物理ネットワークを仮想IPネットワークとして扱うレイヤを構築。特定のハードウェアからネットワークを独立させるという。

ネットワークにひきずられ仮想化のメリットを享受できない

Open vSwitchをベースにしたNiciraの分散型仮想ネットワークインフラ

 こうしたNiciraの技術が「破壊的」と言われる所以は、経路制御や負荷分散など従来スイッチのコントロールプレーンで行なっていた処理を、OpenFlowコントローラーが担う点だ。物理ネットワークはシンプルなIP接続のみ提供できればよいため、ベンダー固有のファブリック技術や高価なデータセンタースイッチは不要。極端な話、とにかく安価なサーバークラスターを積み上げれば、Amazon EC2のようなクラウド基盤を構築できる。また、ケーブルをつなぎ替えずとも、構成変更や仮想マシンのプロビジョニングを実現でき、性能面でもオーバーヘッドが小さく、評価されているとのこと。信頼性に関しても、「仮想的なパスがいくつも用意できるので、耐障害性は高い。コントローラーも非常に信頼性の高いクラスターになっている。5台のうち、2台壊れても対応できる」(カサド氏)という。

NTTのR&DがNiciraに高い評価

 発表会の後半では、NVPを採用したラックスペースやNTT情報流通プラットフォーム研究所などのコメントを収録したビデオも流された。NTT情報流通プラットフォーム研究所の桑名栄二氏は、「クラウドでの最大の課題はサーバ・ストレージとネットワークを一体化させることであった。サービスの中断はいけないし、設定も柔軟に変更できなければならない。3・11の大震災以降は節電や計画停電にも取り組まなければならなかった」と述べ、Niciraの技術にいち早く注目していたという。特にアプリケーションをダイナミックに移行させるライブマイグレーションを実現するために、NVPは大きな効果を発揮していると話す。「特殊なハードウェアは不要で、コストも削減できる。スケーラブルで、品質や機能も優れている」とのことで、Niciraのネットワーク仮想化技術に高い評価を与えている。

Niciraとの提携をアピールするラックスペース

NTT情報流通プラットフォーム 所長の桑名 栄二氏

 国内では東京エレクトロンデバイスや日商エレクトロニクスが販売パートナーとなっており、日本市場でも積極的に展開していくとのこと。また。日立電線は同社のファブリック技術とNiciraのNVPを融合させたデータセンターネットワークを展開していく。課金は使用量ベースのライセンスモデルで、VM単位の従量課金になる。

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